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おとなしい夫がひょう変。きっかけはクローゼットの奥から見つけた思い出の品…なぜ?

 押し入れや物置きを片付けていると、「これ何だろう?」と思うモノが意外と多く眠っているものです。  ガラクタにしか見えなくても、実は家族の誰かが大切にしている思い出の品なんてこともあります。
クローゼット押入れ物置き

写真はイメージです(以下同じ)

クローゼットの奥からタイコが

 菅沼美加子さん(仮名・32歳/デザイン事務所)も引っ越しの荷造りをしていた3年前、クローゼットの奥に紙袋に入っていたサッカーボールほどの大きさの太鼓(たいこ)を発見。夫婦2人暮らしだったので夫のものであることはわかったそうですが、その太鼓を見たのはこのときがはじめてだったとか。 「夫から何か楽器をやっていたという話を聞いたことはなかったので、隣の部屋で荷造りをしていた彼を呼んで太鼓のことを聞こうとしたんです。そしたら『うわぁ、懐かしいなぁ』って言いながら叩き始めたんです。  日本の和太鼓とは音も違い、リズムもちょっと独特でしたけど叩いている姿がすごくサマになっていました」  このとき旦那さんが叩いていたのは、ジャンベと呼ばれる西アフリカ発祥の民族打楽器。インドネシアの民族音楽『ガムラン』でも使用されている楽器のひとつだそうで、大学の卒業旅行で訪れたバリ島で購入したといいます。 太鼓「滞在先のゲストハウスで仲良くなった日本人旅行者が毎日ジャンベを叩いていたそうで、それを見ているうちに欲しくなって買ったという話をしていました。普段、夫はあまり感情を表に出す人じゃないんですけど、そのときはすごく嬉しそうにしゃべっているのが印象的でした」  これをきっかけに旦那さんのジャンベ熱が再び高まったのか、再演の機会は引っ越して1か月ほどで訪れます。

友人宅で即興のセッションを披露

「実は、引っ越し先の県に夫がジャンベにハマるきっかけとなった旅仲間の方が住んでいて、2人でお宅にお邪魔したんです。今は普通に会社勤めをされていますが若いころはバックパッカーとして世界中を旅していたそうで、部屋にはいろんな民族楽器が置いてありました」  この日は2人と直接面識のない旅仲間の方の友人たちも集まり、その場のノリでセッションがスタート。旦那さんもキャラ変したかのように情熱的にジャンベを叩き、即興とは思えないほどのクオリティだったそうです。 「後で聞いたら夫以外の方たちはアマチュアでもライブ経験があったそうで、夫に合わせててくれたみたいです。私は民族音楽とか全然理解できないけど、みんな楽しそうに演奏していることは伝わってきて、こういう休日の過ごし方ってなんかいいなって。  まあ、私は途中で飽きちゃって隣の部屋でほかの奥様方と女子会をしていましたけど(笑)」  引っ越し先は美加子さんの友人がほとんどいなかったため、最初は不安だったそうですがこの奥様たちを通じて交友関係が一気に拡大。今ではランチや買い物、カラオケに行く友達も増え、楽しい日々を過ごしているそうです。

今も新婚のころのようにラブラブ

マイク、地下ライブ「それと知り合いの方が出演するライブに2人で観に行ったり、夫婦で出かけることが以前よりも多くなりました。  最近、買い物のついでに地元のショッピングモール内のゲームコーナーでよく遊んでいるんですけど、夫のお気に入りはリズムゲームの『太鼓の達人』。ジャンベの練習を通じてリズム感を養っていたからか、いつもハイスコアを出してはドヤ顔で私のほうを見てきます(笑)」  すでに結婚して6年が経つそうですが、まるで新婚カップルのような仲の睦まじさです。 「働き方改革で夫の残業時間が減った影響が大きいと思います。平日も早く家に帰って来られるようになったことが夫婦にとってはよかったのかもしれません。  ただ、いくら今住んでいるのが一軒家だからといって夜にジャンベを叩くのは近所迷惑になるから止めてほしいですけど(笑)」  夫の意外な趣味のおかげで友人もでき、夫婦関係も円満。ある意味、理想の結婚生活といえるかもしれませんね。 ―シリーズ「気になる男性・彼・夫の意外な一面」― <文/トシタカマサ イラスト/Morimalu> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
トシタカマサ
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。
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