と思ったら、天陽が体調を崩して入院したという事実が語られ、前週土曜に流れた予告の次週分副題は「
なつよ、天陽くんにさよならを」。

9/2、体調を崩した天陽くん (C)NHK
このネタバレともいえる副題は、正直どうなのでしょうか。
9月2日放送分では、病院を抜け出してきた天陽が徹夜で馬の絵を完成させます。
珍しく妻に「結婚して本当によかったわ。俺は俺でいられる」などと言い、アトリエから出ていこうとする
妻の腕をつかんで「もう行っちゃうの?」と甘えて、抱き寄せるシーン……そして、朝を迎えた天陽の傍らに寝ている妻。
この展開に下世話な想像をしてしまった人は少なからずいたようで、ネット上には「命が消えそうなときほど種を残そうとする」などと囁かれていました。
衣服や髪が乱れているわけでもなく、ただ徹夜で馬を描いていたのだろうに、下世話な想像をさせる天陽。存在自体が罪なのかもしれません。
そして3日、絵を完成させた後、畑を見に行くと言い、幻想的な風景の中、不意に帽子を投げると、その落下と共に畑に倒れ込み、息絶えます。
これは土と共に生き、土に還って行く表現のようですが、ネット上には
「
なぜ帽子を投げるのだ天陽くんよ」
「天陽くんが倒れるシーンは綺麗でした。何で帽子を投げたのか、知らないけど」
「天陽くんがなんで麦わら帽子を投げたのかよくわからなかったんだけど、吉沢くんの演技がすばらしかったので、そういうものかと了解した。」
などのつぶやきも出ていました。
でも、一部では、
幻想的な風景の中に馬が現れ、天陽を乗せて去る「フランダースの犬ならぬ馬」的シーンを予想する声もありましたので、そんなトンチキ展開にならず、悲しいながらもホッとしています。
それにしても、意味があるのかどうかわからないところも、勝手に深読みさせたり、妄想させたりしてしまう天陽の存在、そして吉沢亮の憂いと艶を帯びた演技力。それを改めて感じさせる「死」の表現でした。
<文/田幸和歌子>
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