『The New York Times ニューヨークタイムス』によると、新ビジネスとして注目されるスクリーンコンサルタントは近年急激に需要が高まっているといいます。
個々の家だけでなく学校や教会などに出向き、スマホフリーでの子育ノウハウを教えてまわるコンサルタントの費用は1時間80~250ドル(約8600〜27000円)。1セットのコーチングは平均して8~10回かけて行うため、総額は640~2,500ドル(約7万〜27万円)にのぼるとか。
注目すべきは、そのアドバイスがいたってシンプルなものばかりだということです。
あるコンサルタントは「ボールを使って遊ぼう」「布をマントにしてみよう」と教え、他のコンサルタントは「運動が大切だ」と説き、近所の公園にジャングルジムがあれば、子どもたちの自律神経を安定させるためにも、そうした遊具を使って遊ばせることを推奨しているそう。
中には「犬を飼おう」といったアドバイスもあり、「なぜ自分たちでも考えられそうなアイディアにそんなにもお金をかける親が多いのか?」と、疑問視する声もあるそうです。
しかし、スマートフォンやタブレットがないと子どもたちをどう遊ばせたらいいのか時間を持て余してしまう親は多く、どんなに注意しても子どもたちがスマートフォン画面を見ることをやめてくれないことに、危機感を感じている両親が増えているのも事実。
当事者たちにとっては、子どもたちをスマホフリーに育てる手段を学ぶことはとても切実な問題なのです。
写真はイメージです
今の時代に合わせたロールモデルになる
実際にコーチングを受けた母親は『The New York Times』の取材に対し、「教えてくださるのは至極(しごく)当たり前のことばかりですが、渦中にいると忙しすぎてそんなことさえ見えなくなってしまうもの。そこに気づかせてくれるだけでもありがたい」とコメント。
具体的にカウンセラーが彼女に教えてくれたのは、「食事中のスマホは禁止だと、子どもたちにきちんと伝えたえること」。
それは例えば、今の親世代が子どもの頃に「テレビを観ながらご飯を食べてはいけない」と注意され、包丁の使い方や料理の仕方を教わらないうちに、キッチンに立ち入って刃物に触ったり、ガスコンロをひねったりするのを禁じられていたのと同じ感覚だといいます。
つまり、スクリーンコンサルタントの仕事とは、新しい時代に合わせたロールモデルになるために、親が子どもの模範となるよう振る舞っていくことを、一つ一つ丁寧に教えていくことであるようです。
スクリーンコンサルタント・ビジネスが活況を呈する中、中学3年生(アメリカにおける8年生)以上になるまで、スマホフリーで教育する「Wait Until 8th ウェイト・アンティル・エイス」というムーブメントが全米も広がっていると、『THV11』が伝えています。
「Wait Until 8th」は、オンライン契約書に署名して、自分の子どもが8年生になるまでスマホを渡さないという誓いを親同士共有するのが目的。2年前にテキサス州オースティンのママたちを中心に創設され、今年の夏までに2万人以上が契約書にサインしているとか。
スマホのスクリーン上で遊ぶだけでなく外で元気に遊ぶことや、チャットやメールではなく実際に友達と顔を合わせて話すことの尊さを教え、豊かな暮らしを再確認させたいと親が願うのは世界共通。
日本でも子どもを持つ親に向けた「テックコーチングブーム」が来るかもしれませんね。
Sources:「The New York Times」「THV11」
<文/橘エコ>
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