中野雪子さん(仮名・契約社員・26歳)は、Yさん(メーカー勤務・32歳)とお付き合いを始めて1年目になります。
「友達の彼氏の同僚がYで、ホームパーティーで紹介してもらったのがきっかけでしたね。Yの明るくて聞き上手なところに惹かれたんですよ」
そんなある秋の夜、Yさんの部屋に雪子さんが遊びに行くと突然停電になってしまい…。
「私が暗やみを怖がり動揺すると、Yは『ただの停電だから大丈夫だよ』とスマホで停電情報のページを見せてくれました」
するとYさんは、ろうそくに火を灯し部屋を明るくすると、クローゼットの奥からヘッドライト(おでこの部分が光るライト)を出して頭に装着しました。
「そして私に『お腹空かない?』って笑顔で言うので、正直にめちゃくちゃ空いてると答えたら…手際よくサッポロ一番みそラーメンを作ってくれたんですよ」

しかも刻んだネギがたくさんと、目玉焼きとスライスチーズがトッピングされていました。
「ろうそくの灯りの中、一緒に食べたそのラーメンが美味しくて。味噌とチーズは同じ発酵グループだからかよく合うんですね~」
喜んで食べる雪子さんを見て、Yさんも嬉しそうに「このネギと目玉焼きとチーズが乗ったラーメン、子供の頃、日曜日によく父親が作ってくれたんだ」と教えてくれたそう。
「停電のおかげでYの思い出の料理を作ってもらえたのも嬉しかったですし、こんな局面になっても動じずに、私をもてなしてくれる余裕な態度に、頼もしさを感じましたね」
<文&イラスト/鈴木詩子>
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漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:
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