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保護者会で財布が紛失、“よそ者”というだけで犯人扱い…村八分の陰湿

「都会で暮らすようになってから改めて実感したのですが……私の地元は闇だらけでしたね」
女性 噂 陰口

写真はイメージです(以下同じ)

 苦笑しながら話し出したのは、兼業主婦の直子さん(仮名・34歳)。直子さんも夫も高知県出身で地元で暮らしていましたが、今では子どもを含めた3人家族で首都圏に引っ越したそうです。そのワケとは――。

地元民ではないだけで、ないがしろにされる

「高知にいた時の話です。  私と夫は小中高と同じ学校でした。狭い町なので、高校までほとんど同じ顔ぶれでした(笑)。都会の人からしたら信じがたい話だと思いますが、町の誰かが亡くなると、町内に設置されているスピーカーから『本日、○○に住む××さんが亡くなりました』と放送されるほどの田舎ですからね。高校卒業して数年後に夫と結婚しましたが、自分の人生になんの違和感も抱いていませんでした」  子どもも授かり、「平凡だけど、穏やかな幸せを噛み締めていました」という直子さん。ところが、子どもの小学校の保護者会で、とんでもない事件が起きてしまいます。 保護者会で財布が紛失、“よそ者”というだけで犯人扱いで村八分状態に…「とある保護者が、『私の鞄の中から、財布がなくなってる!』と言い出したんです。その人は、地元ではいわゆる名家の女性だったので、一同大騒ぎ。そして、誰とはなしに、『あの人が泥棒に違いない』と、普段から“よそ者”と、地元民からは冷たい扱いを受けているA子さんが犯人に仕立て上げられてしまいました。A子さんは温和で良い人なのですが、東京から嫁いできた、ただそれだけのことで嫌われてしまっていたんです。  そのこと自体私はどうかと思っていましたが、ましてや泥棒扱いするなんて、とんでもないと思いました。『A子さんが盗んだ証拠もないのに、泥棒扱いはヒドすぎる。警察に任せるべきでは?』と提案したのですが、『あなたは地元の人なのに、よそ者の味方をするの!?』と、皆に責め立てられてしまって……。結局、A子さんが泥棒ということにされたまま、警察には届けないという、後味の悪い結果になりました」

A子さんだけでなく、子どもまでいじめを受けるように

 そしてその後、A子さんを取り巻く状況は悪化していきます。 「A子さんは、いわゆる村八分状態にされてしまったんです。無視やヒソヒソ話をされることはもちろん、町内会からも追い出されてしまいました。一番ヒドかったのは、『泥棒の子ども』として、お子さんまでいじめの対象になってしまったことです。 『学校で話しかけてくれるのは、直子さんのお子さんだけだとうちの子は言っている』と、A子さんは泣きながら言っていました。自分が泥棒扱いされることよりも、お子さんがいじめを受けていることのほうがよりつらいのだろうと、同じ母親として心が痛みました。ただ話を聞くことしかできない自分が歯がゆかったです」  そんな状況が数ヶ月間続き、直子さんはA子さんから、「離婚してでも子どもと東京に戻りたい」と相談を受けていたそうです。しかし、とんでもない形でA子さんの悩みが解決することとなりました。
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事実が判明すると、今度の標的は……
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