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真のミッフィーファンは「うさこちゃん」と呼ぶ?真相を出版社に聞いてみた

 幅広い年代から愛されるうさぎのキャラクターといえば、ミッフィー。子どもの頃に絵本で読んだ方も多いのではないでしょうか。しかし、当たり前のようにこの名前で親しまれている「ミッフィー」。  実は本当は「うさこちゃん」という呼び名もあることをご存知でしょうか。一説によると真のミッフィーファンは「うさこちゃん」と呼んでいるとか……。なぜ、名前が2通りもあるのか、その真相に迫りたいと思います。 ミッフィー?うさこちゃん?

出版社ごとに違う呼び方

 ミッフィーはオランダ発祥のキャラで、本名は「ナインチェ・プラウス」と言います。オランダのデザイナーであるディック・ブルーナ氏が描いた絵本に主人公として登場しており、両親とペットの犬との3人+1匹暮らしという設定ですが、後に2子目の赤ちゃんも生まれています。  実は1963年にオランダでナインチェの絵本が出版された直後から、イギリスと日本の出版社はこの作品に注目していました。つまり、古くからこの2国がオランダ語から自国語に翻訳した「ナインチェ」の絵本を出版していたわけです。  そして、日本では長年2つの出版社から本が出されています。1979年から出版している講談社では「ミッフィー」。1964年から出版している福音館書店では「うさこちゃん」。そう、2通りの名前の理由は、絵本の出版社が違うことにあったのです。  そこで各出版社に取材を申し込み、それぞれどの様な経緯で名前を付けたのかを教えていただくことにしました。

「うさこちゃん」福音館書店の回答

『うさこちゃんとうみ』(福音館書店)

『うさこちゃんとうみ』(福音館書店)

 まずは福音館書店に電話取材しました。まず「うさこちゃん」は、日本で最初に「ナインチェ」を日本語訳した児童文学者の石井桃子さんが名付け親だそうです。  その際に石井さんはブルーナに直接問い合わせており「ナインチェは小ウサギです」と回答をもらいました。その後、在日のオランダの方に原文を朗読してもらい、その言葉のニュアンスを確かめた上で「うさぎの女の子」にぴったりの日本の名前として「うさこちゃん」に決めたのだとか。何とも愛おしい逸話ですね。「ふわふわさん」「ふわおくさん」などの家族の名前も石井桃子さんの訳です。

「ミッフィー」講談社の回答

『ミッフィーの たべもの なあに』(講談社)

『ミッフィーの たべもの なあに』(講談社)

 では、「ミッフィー」とは一体どこから来た名前なのか……? 講談社に連絡をしたところ、担当の人も「正直なところ、詳細がわからないのですが……」とのこと。そこで2015年に刊行された『ディック・ブルーナ ミッフィーと歩いた60年』という本を紹介してもらいました。この本は作者のブルーナと関係者に長年インタビューを続けてきた新聞記者・森本俊司さんによる評伝です。
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「ミッフィー」の由来も判明
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