こうして、翌週に迫っていたクリスマスの日に、彼を初めて自宅に招いて手料理を振る舞うことになったカナさん。当日は、ごきげんな彼がクリスマスケーキとシャンパンを持って来てくれたのですが……。
「料理をしていると、『塩、結構入れるね』とか、『細めに切るんだ?』とか、ちょこちょこ口をはさんできました。
作り終わって、片付けは食べたあとでやるつもりでいたら、『料理上手な人は片付けながら作業するから、全部の料理が完成すると同時に片付けも終わってるんだって』とか……ちょっとイラッとしてしまいました」

できあがった料理に対する感想は特にないまま、すべて平らげた彼。ふたりでケーキを食べ始めても、「毎日お弁当作ってる?」、「お菓子づくりはする?」などという質問が続き、答えても返ってくるのは「そうなんだ」とだけ。まるで面接のよう……。
「気分が悪かったです。私がイラッとしたのが伝わったのか、なんとなく空気がギクシャクしてしまって、お泊りの予定でしたが、帰ってもらいました」
せっかく楽しくなるはずだったクリスマスが残念な思い出になってしまったカナさん。この日を境に彼への気持ちは薄れてしまい、まもなくして別れてしまいました。
「婚活していると、知り合って早々に料理について訊いてくる男性が結構いるなと思います。料理は女性がするものってわけではないのに。そういう男性は避けるようになりましたね」
得意料理を尋ねられたら、こちらからも同じ質問をするようにしてます――そう言って笑うカナさんは、前向きに出会いを求め続けています。
―シリーズ「
秋冬のトホホ」―
<文/船田 ゆかり>