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新『おっさんずラブ』春田の恋心がとうとう動く。嫉妬まみれの恋の行方にクギづけ

 航空会社を舞台に新シリーズとして放送されている『おっさんずラブ-in the sky-』(テレビ朝日系、土曜23時15分~)。新人CAの春田創一(田中圭)を巡り、機長の黒澤武蔵(吉田鋼太郎)、副操縦士・成瀬竜(千葉雄大)、整備士・四宮要(戸次重幸)達が繰り広げる、大人の四角関係が展開されています。
『おっさんずラブ-in the sky-』(テレビ朝日系、土曜23時15分~)

『おっさんずラブ-in the sky-』(テレビ朝日系、土曜23時15分~)
(画像:『おっさんずラブ-in the sky-』公式サイトより)

もはやコント! 卓球をしながら、愛を打ち明ける姿に爆笑

 4話では、春田の争奪戦を行なっている大人たちが、卓球をしながらお互いの想いをぶつけ合うという展開を繰り広げました。  ライバルの胸の内を確認しようとする黒澤ですが、自身の気持ちを独白するシーンでは黒澤の化身や小さい黒澤が登場したりと、もはややりたい放題です。
「あのキスはなんなのサー!」 「バカ! 好きってことだよ!!」 「嫌いになんかなれないサ! 春田が好きサ!!」  と、男四人で卓球をしながら、お互いの恋心を絶叫で伝えるという謎の映像が数分間続きます。このような状況のドラマを過去に見たことがないため、爆笑しながらもどう見ればいいのかわからずとまどいます。しかし、そこは吉田鋼太郎。抜群の演技力でこのよくわからないシーンを見事にまとめあげています。腕のある俳優さんの底力はやはりすごいです。  かなり長めの尺でこのコントシーンは続くのですが、「この齢で、人をこんなに好きになるなんて自分でもよくわからない」と黒澤は春田に胸の内を告げ、爆笑シーンのあとは、しっとりとしたおっさんずラブらしい展開に落ち着きました。

春田の恋心がとうとう動き出す

 そして4話では、「突然モテ期がやってきて、動揺するだけの春田」に変化が訪れます。  幼い頃からの確執が原因で、危篤の父親に会いに行くのをためらっていた成瀬でしたが、春田に背中をおされ父親の葬儀できちんと別れを告げることができたのでした。この件をきっかけに、成瀬は春田をはじめとするチームのメンバーに心を開き始めます。  春田に冗談を言えるほど、成瀬と春田の距離は縮まっていました。  そんななか、春田のチームは退役する飛行機のラストフライトをむかえていました。しかし、機体がオイル漏れをしていることに成瀬が気づき、整備士である四宮らはラストフライトに間に合うように機体を整備します。夜を徹して機体の整備をする四宮に成瀬は差し入れをして協力するのでした。  無事、整備を終えて寝入る四宮と成瀬。春田は偶然、四宮に寄り添って眠る成瀬を目撃して、嫉妬のような気持ちが芽生えます。今までは、愛されてもただただ受け身なだけだった春田ですが、ここにきて気持ちが動き始めたようです。
 春田をめぐる大人の五角関係は、春田を想う黒澤と四宮と橘緋夏(佐津川愛美)、そして春田が思いを寄せる成瀬との恋模様となりそうです。

恋愛感情を超えた人間ドラマをもっと見たい

「モテる男はつらいですね」と成瀬に嫌味を言われる春田ですが、その通り春田は数名から同時に強烈なアプローチを受けます。愛され力の高い春田ですから、老若男女から愛されることに違和感はありません。ただ、もう少し春田の魅力とそのバックグラウンドやエピソードが知りたいところです。今回は登場人物が多いため、春田の魅力よりも周囲のエピソードに時間がさかれており、春田の情報が少し足りないような気がします。
 春田の魅力を知ることで、春田を愛さずにはいられない人々にもっともっと感情移入して見られるように思います。そして、そこに性別や年齢を超えて、人を愛することの素晴らしさを感じるのではないでしょうか。  恋愛感情を超えた人間ドラマが見れないと、どうしてもコメディとしての面白さばかりが全面に出てしまい、複雑な気持ちになります。  次回も恋の乱気流は続きそうです。予告では四宮に隠し子疑惑が浮上。まだまだ話は急展開していきます。 <文/瀧戸詠未>
瀧戸詠未
大手教育系会社、出版社勤務を経てフリーライターに。教育系・エンタメ系の記事を中心に取材記事を執筆。Twitter:@YlujuzJvzsLUwkB
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