インフルエンザ予防、医師がやってる対策は?消毒から食べ物まで
感染したかも? と思ったら、休む勇気も必要
大谷「インフルエンザは短時間で急激に症状が進行するので、気を付けようがないというのが実際のところです。ただ、強いて言うなら、『少しでもインフルエンザの疑いを感じたら、学校や会社を休む勇気を持つ』ということですね。
突然高熱が出て、判断力の低下や意識が朦朧とするなどの危険が伴うからです。電車や車での痛ましい事故を聞くこともありますが、意識を失って倒れたり、フラついて車に撥ねられたりと、似たようなケースは多数あるんですよ。
あと、無理をすると、肺炎を合併して死に至る可能性もあります。肺炎は高齢者に多いですが、若い人でも0.8%との発症率が報告されています」
――無理をすると、脳症になったりすることもありますか?
大谷「インフルエンザ脳症の定義は、インフルエンザに伴う異常行動、意識障害ですが、10歳未満のお子様に多く、大人での症例は稀にしかありません。脳症になった子どもの約3~4割は死亡か後遺症が残ったとのデータもあるので、幼いお子様のいるご家庭は十分気を付けてほしいと思います」
――インフルエンザを軽く見てはいけないんですね。
大谷「インフルエンザは、風邪と違って死にうる病気だということを念頭に置いておいてほしいと思います。もし罹ったら、周囲へ移さない意味でも、自分の身を守る意味でも、自宅でおとなしく寝ているのがいちばんです。
もしインフルエンザの疑いを感じたら、数時間は家で安静にして、検査で反応が出る6~12時間くらい経ってから、医療機関に問い合わせてほしいと思います」
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ところで、インフルエンザのような高熱はなく、微熱すらないのに、地味に長引く咳に悩んでいる方もいるのでは? そんな方は大谷先生監修の書籍の中に答えがあるかも。実は、長引く咳にはあらゆる原因があります。早期に自分の咳の本当の原因を知り、それに合った正しい対処法とセルフケアをして、咳の悩みから解放されましょう。
【大谷義夫・医師 プロフィール】
池袋大谷クリニック院長。2005年に東京医科歯科大学呼吸器内科医局長に就任。米国ミシガン大学に留学などを経て、2009年に池袋大谷クリニックを開院。『絶対に休めない医師がやっている最強の体調管理』など著書多数
<取材・文/千葉こころ>
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自由とビールとMr.Childrenをこよなく愛するアラフィフライター&編集者。
人生後半戦も夢だけは大きく徒然滑走中
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