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ブラックすぎる職場で毎晩泣いた…暴言やエアコン禁止で命の危機

社長のタイコ持ちはパワハラ女性部長

 でも、社長に意見する人は一人もいなかったのでしょうか? 「一度、社長の外出中くらいエアコンをつけさせてくれないかと思い、周囲の古参スタッフにこっそり聞いてみたこともありました。ですが、社長のタイコ持ちのような存在の女性部長がそれを許さないのだと言われ、『そんなことよりあなたは早く辞めた方が身のためだ』と助言されて終わりでした」  実はこの女部長というのが社長以上にたちの悪いパワハラ上司だったのです。 “ファスト・セックス”にハマるバリキャリ女性たち「部長は空調のリモコンが設置された壁の前に陣取っていて、他の誰にもエアコン操作をさせないよう注意深く観察している門番のようでした。  それに言葉もキツい人で、私は特になんのミスもしていないのに、バカだのなんだの毎日さんざんなことを言われ、定時に帰ることも許されませんでした」

泣きながら働き続け、辞めて2年たった今

 当時はなんであんなにひどい仕打ちを受けなればならないのかと、毎晩のように泣いていたという市川さん。それでも家計のためには、次の派遣先が決まるまで我慢して約1年間働き続けました。 「今は都内の商社の経理部門で派遣社員として働いています。嫌な上司が一人もいないとは言いませんが、あの税理士事務所とは天と地ほど違う快適なオフィス環境で働けていますし、みんな言葉使いには気をつけているようで、バカとかアホとか言われることもなくなりました」  働き方改革のおかげで、働く環境が改善されたという人の声を聞くことが多くなりましたが、市川さんによるとこのどケチ税理士事務所はいまだ健在だそう。  今もLINEでつながる古参スタッフによると、パワハラ部長は今でもエアコンのスイッチの前に座り、周囲にニラみを聞かせているそうです。 ―シリーズ「ブラックな職場がしんどい」― <文/橘エコ イラスト/とあるアラ子>
橘エコ
アメリカ在住のアラフォー。 出版社勤務を経て、2004年に渡米。ゴシップ情報やアメリカ現地の様子を定点観測してはその実情を発信中。
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