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冬ドラマ名作ベスト3。佐藤健「恋つづ」より忘れられない名演は…

第1位 『心の傷を癒すということ』

(画像:心の傷を癒やすということ公式HPより)

(画像:心の傷を癒やすということ公式HPより)

 そして、わたくしが第1位に選んだのは、柄本佑主演『心の傷を癒すということ』(NHK総合、全4話)。  今から25年前の1995年に起こった阪神・淡路大震災で、当時はまだ一般的ではなかった被災者の心のケアに尽力し、39歳の若さでこの世を去った精神科医・安克昌の生涯を描いた本作。
 在日韓国人3世の精神科医・安和隆(柄本)は、老若男女問わず被災した人たちの“心”に寄り添い、心のケアとは何かを追究しながら、妻の終子(尾野真千子)や子どもたちと幸せな日々を過ごしていましたが、最終回、自身が末期ガンであることが発覚します。  見舞いに来た恩師・永野(近藤正臣)に「僕どうしてもあきらめられへんのです、生きること」と語り、退院して自分のやりたいことを一つ一つ叶えていく和隆。そして「心のケアって何かわかった……誰も一人ぼっちにさせへんってことや」と気づくのです。
 生まれてくる子どもの名前を思いつき、産気づいた終子をタクシーに乗せて見送った後、和隆は意識朦朧となった病院のベッドの上で、ビデオカメラに収められた生まれたばかりの我が子の姿を見届け、息を引き取ります。  まさに生と死が交差する運命に胸を締めつけられるとともに、ラスト、神戸ルミナリエのシーンで安先生の本当のお子さん3人がこちらを振り返る場面で涙が止まりませんでした。文句なしの1位です。  今クールは医療ドラマの乱立がトピックスになったり、竹内涼真主演のサスペンスミステリー『テセウスの船』の最終回が視聴率19.6%を記録したりと、話題に富んだクールでした。依然として新型コロナウイルスがエンタメに大きな影響を与え続けていますが、この春も素敵なドラマたちに出会えますように。 <文/中村裕一> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
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