声優・新田恵海の恐竜オタっぷりがすごい「語りだすと止まらないですよ」
2015年に青少年読書感想文全国コンクールの課題図書にも選定されたアンナ・ウォルツの児童文学『ぼくとテスの秘密の七日間』(フレーベル館刊)を映画化した『恐竜が教えてくれたこと』が公開中です。思春期の入り口に差しかかった主人公のサムと、ちょっぴり大人びた美少女テスの淡い初恋をはじめ、家族との微妙な関係、そして人生というものの複雑さに触れたサムの心の揺らめきを、等身大の子どもの視点でいきいきと映し出す感動作に仕上がっています。
――この作品は、恐竜マニアから観ていかがでしたか?
新田恵美(以下、新田)「恐竜は出てこなかったのですが(笑)、それ以上に大切なことをこの映画は教えてくれたと思いました。
温かくも切なくなるヒューマンドラマで、子どもの目線で見る世界が新しかったです。なかなか普段、子どもの視点で物事を見ることって、しようと思っても難しい。そこを主人公のサム少年を通じて、すごく純粋な気持ちで映画を観ることができました」
――忘れていた感情がよみがえるような、そういう感覚ですよね。
新田「そう思います。わかってはいるけれど忘れていたような、という気持ちにもなる映画でしたね。
音楽も楽しくて、映像の色味もですが、楽しいバケーションの始まりから、どんどん非日常の出会いに振り回されていくような、どんどん日常が変わって濃い時間になっていくような感覚。それは観ていて、すごく引き込まれましたね。登場人物がすごく個性的で、エッジが効いている。誰からも目が離せないような感じでしたね」
――他人に鑑賞を勧める際、どう説明すればいいか少々悩みますよね。
新田「いい意味ですが、それはありますね(笑)。でも、受け取る人によって、感じ方が違うのかなとは思いました。
アクション映画やSF映画だったりすると――それももちろん人によって受け取り方が違うのですが、大きなテーマがあって、そこに向かって作っていくものだと思いますが、人間の考え方や気持ちや感情って、他人が正解を出せることではないですよね。だからこそ、受け取り方が十人十色。ただひとつ言えることは、この映画、『いい映画だから観て!』だと思いました」
――映画の受け止め方は、人生経験の差も出ますからね。
新田「そう思います。どこがどう響くかは、その人でなければわからないことで、『どういう話?』と言われても、説明をすればするほど陳腐になるような気もしますよね。『ひとりの男の子がバケーションの間に成長していく話』と言うと、面白くなさそうじゃないですか(笑)。でも、それだけじゃないですよね。
だからこそ観た方がそれぞれの感情を持っていただけたら、それがこの映画の正解なのかなって思いました」
その本作を、人気アニメ『ラブライブ!』の高坂穂乃果役などで人気の声優・新田恵海が鑑賞・応援! 実は大の恐竜マニアで並々ならぬ愛情を注ぐ彼女は、本作をどう観たのか!?「この映画に恐竜は出てこないのですが(笑)、映画の鑑賞後、<恐竜が教えてくれたこと>について考えてみると、いろいろな発見もあって楽しいと思いますので、ぜひご覧ください」と語る彼女に話を聞きました。