虐待され頭蓋骨にヒビが入った捨て猫。保護されて愛情たっぷりのニャン生に
【今日のにゃんこタイム~○○さん家の猫がかわいすぎる Vol.21】
「うちのララ♪は音符マークまでが名前。保護主さんからつけてもらっていた“楽々”という名前には、もう辛いことは何もなく、楽しいことばかりありますようにという意味が込められていたので、私はラララーって歌っちゃいたくなるくらい、もっと幸せにしようと思って」
天真爛漫なララ♪ちゃん(3歳)を家族に迎えたあささん(@tatsukiasa)は、愛猫の名前の由来をこう語ります。
ニャン生に、もっともっと楽しいことがありますように…。保護主さんとあささんがそんな思いを抱いた裏には、ララちゃんの壮絶な過去が関係していました。
生後2か月ほどで保護されたララ♪ちゃん、実は虐待のすえ、遺棄された子。保護されたとき、頭がい骨には正面から何かで殴られたようなヒビがありました。
「保護主さんやその後にお世話してくれたボランティアさんに聞いた話だと、発見してくれたのは中学生たち。鼻血を垂らし、頭が右側に傾いていて自力では起き上がれない状態だったそうです」
あまりにも悲しい姿を見た保護主さんは心配そうな中学生たちに「子猫は助けるから」と告げ、すぐさま病院へ。幸いにも内臓や骨に異常なかったため、保護主さんはご飯や飲水、トイレの介助をしながら、タオルやトイレシーツを敷いたケージにララ♪ちゃんを寝かせ、療養させました。
すると、ララ♪ちゃんは自力で起き上がれ、数日後にはボランティアさんのおうちで過ごせるまでに回復したのです。
しかし、そんなとき、判明したのが骨折によって尻尾が壊死しているという事実。ボランティアさんは獣医師さんと話し合い、尻尾の1/3を切る断尾手術を行うことにしました。
「尻尾は何かで強く挟まれたようにポッキリ折れていたそうです。保護当時、胃袋には食べ物がたくさん入っていたので、おそらくご飯でおびき寄せ、ある程度、懐いたところで虐待されたのではないかという話でした」
尻尾の一部を無くしたララ♪ちゃんはその後、治療にあたった獣医師さんのもとで、他の猫たちとの交流を通して猫社会を学ぶ“家猫修行”を約1か月行い、あささんの家へ。
しかし、心の傷は深く、あささんのことは怖がらなかったものの、ご主人のことは少し警戒し、男性の声に怯える傾向が見られたそう。
「追いかけられ、上から押さえつけられたり掴まれたりしていたのか、それを思わせるような状況になると、必死に逃げようとしました。その姿を見ると胸にこみあげるものがあり、驚かせてしまったときには泣きながら謝ったこともあります」
眠るときも何かの下に潜り、じっと身を潜める小さな家族……。心の傷の深さを悟ったあささん夫婦は話し合い、家にはゆっくり慣れてもらおうと決意。驚かさないよう、細心の注意を払いながら接し続けました。
痛みや恐怖を与えない人間も存在するーー。あささんと暮らす中で、そう気づいたララ♪ちゃんは、徐々に心を開くようになりました。
今でもララ♪ちゃんにとって人間は怖い存在ですが、あささん夫婦だけは別。甘えたいときは自らゴロゴロと喉を鳴らしながら肩に乗り、抱っこをおねだり。
「1日1回、20分ぐらい肩に乗ってくれる。これはお互いにとって大切な“充電時間”になっています」
姿や声はもちろん、背中にあるひよこみたいな模様や筆文字で書いたような両足の模様もかわいく、短くなってしまったしましま尻尾も愛おしい。
そう語るあささんの隣でララ♪ちゃんは同居猫たちと交流を深めながら、「今」を生きています。
優しさのリレーによって救われた、虐待遺棄猫
簡単には癒えない「心の傷」
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