小芝風花、16歳で演じた『魔女の宅急便』を懐古。「キキじゃない」と悩んだ日々
日本のみならず世界に知られるホラークイーン「貞子」シリーズの最新映画『貞子DX』が公開中です。小芝風花さん演じるIQ200の大学院生・文華が、「貞子」の呪いを解明すべく奔走する本作。『99.9-刑事専門弁護士-』シリーズの木村ひさし監督の演出で、これまでとは違った「貞子」作品になっていることも話題です。
主演を務める小芝さんに、脚本にはなかった印象的なポーズ誕生の裏側など、本作についてはもちろん、老若男女から支持される小芝さんの快進撃の始まりであるスクリーンデビュー作『魔女の宅急便』(2014)当時について直撃。「あんなのキキじゃない」と思われているんじゃないかと不安だったという正直な心境を明かしてくれました。
――貞子モノでありつつ、木村監督作品ということで、どうなるのか楽しみでしたが、「なるほど」の出来でした。小芝さんの演じた文華も、笑わないヒロインながら、コメディセンスも必要な役でハマっていました。
小芝風花さん(以下、小芝)「ありがとうございます。今回、『貞子』シリーズ最新作の主演というお話をいただいて、歴代いろんな方が出演されている、世界的にも有名なシリーズなので、本当に嬉しかったです。最初に脚本を読んだときは、文華はもう少し冷たい印象でした。でも現場での木村監督の演出で、人間味や細かな反応が足されていき、あのような形になっていきました。最初はIQ200なんてどうしようと思いましたけど(笑)」
――文華は集中して記憶を探る際に、チラシにもある、耳を覆うような独特のポーズをします。冒頭から登場する印象的なしぐさですが、あれは脚本に書かれていたのですか?
小芝「脚本にはありませんでした。冒頭のシーンがクランクインの日だったと思いますが、その時に監督が『こういうのやってみる?』とおっしゃって、最初は正直、『冗談かな?』と思いました(笑)。でも角度とかスピードとかすごく細かく演出を受けて、監督にとってめちゃくちゃこだわりポイントなんだと感じましたね。王司(川村壱馬)が鼻を触るポーズも現場で出来上がったそうです」
――そうなんですね! 感電ロイド(黒羽麻璃央)と3人で、さまざまな難題を解決していく姿をシリーズものとして見たくなりました。さて、本作では“貞子”がウイルスであるとされます。現実もいまだコロナ禍が続いていますが、この期間を通じて小芝さん自身に変化はありましたか?
小芝「ひとつの作品を無事に撮り終えることの大切さを改めて感じるようになりました。映画は1年くらい前に撮影を終えたりしますが、特に連続ドラマになったりすると、放送が間に合わないんじゃないかと危機感を覚えたときもありました」
――実際、ドラマ『美食探偵 明智五郎』のときには放送が中断しました。第6話のコロナ禍だからこその演出は、結果的に、非常に新鮮で作品の中でも効いていて感動したのを覚えています。
小芝「あのときの撮影は、いつもとは手順も違って、テストもなしで、すぐ本番でした。ただ内容的にも緊張感がうまく活きた撮影でした。でも実際に撮影が止まって、このまま作品が終わってしまうかもしれないといった恐怖心はすごくありました。『このままもうお仕事できないのかな』と、初めての感覚で、すごく怖かったです。なので今こうして撮影できていること、ちゃんと作品が公開されるというのは本当に嬉しいです。1つ1つのお仕事が、本当にありがたいと感じています」





