東大卒ママが子どもの塾通いより「一緒に料理すること」を大切にする“2つの理由”
よい体験は、よい心を育む。
こんにちは、食文化研究家のスギアカツキです。「食は人生を幸せにする」をモットーに、スーパーマーケットやコンビニグルメ、ダイエットフード、食育などの情報を“食の専門家”として日々発信しています。
みなさん日々の育児、本当におつかれさまです。子どもの未来を少しでも明るくしようと願う親の気持ちは世界共通ではあるものの、広い視野で捉えるとさまざまな価値観が存在しています。そして真偽不明な情報が入りやすい今、何が正解なのかわからないというのが多くの親たちの本音ではないでしょうか。
今回筆を取った理由は、現代の子どもたちを見ている中で、数年前から私の心身に押し寄せた“ある大きな違和感”がきっかけでした。それは、就学前や小学生の多くの子ども達が塾通いや習い事に忙しく、一部の子どもたちは確実に疲れていること。心から自由な時間を過ごせていないことです。
そのような子どもたちの表情を見ると、薄曇りのようなドンヨリ感。彼らにやる気がないわけでは決してなく、頑張りすぎるあまりに余裕がなくて疲れている様子なのです。
私も小学2年生の男の子を東京で育てる母親のひとり。私自身は幼少期に思いっきり遊んで自由を謳歌した後、現役で東京大学に合格しました。東大に合格することが良いと言っているわけではありませんが、今も目標を持って大好きな仕事ができている立場として、少しでも多くの皆様に「高学歴はガリ勉しないとダメ」というイメージを取り払うことができたらいいなと考えました。
私がここで提起したいのは、塾通いを否定することではありません。塾通いに翻弄されることなく、もっと大切なことに目をむけてみてほしいということです。
そして私は食の世界で仕事をしている中で、「子どもと一緒に料理をする経験」が想像以上に有意義であることを発見しました。そして何よりも驚いたのは、息子が自信を持って、考えながら生活ができるようになったこと。勉強や運動にもみるみる積極的になりました。
ここでは、私が自ら実践している我が子との料理エピソードをほんの少し紹介します。これからの教育・育児方針で悩んでいる方々にとって、少しでも不安解消のきっかけになれば幸いです。
「ママ、今日は何を作ろうか?何か手伝うことある?」
我が子は2歳から一緒に料理をはじめるようになりました。料理といっても、最初は調理というよりは、いちごを洗ったりポテトサラダを混ぜたりするような簡単なお手伝い。そういう小さなことをちょこちょこ続けていたら、今では食事の準備を自ら進んでやってくれるようになりました。
ここで、私自身の幼少期の話をちょっとだけ。私は年子の兄と二人兄弟で育てられましたが、父母から「勉強をしなさい」と言われたことは一度もありません。しかしながら、私も兄も自分達が希望する東京大学、しかも兄は最難関の理Ⅲに合格することができました。母からもっとも多く言われたことは、「今日のごはん何食べる? おいしいもの作ろうね!」という相談でした。これこそが、私の育児の指針につながっていて、“毎日の食事はみんなで作り上げるもの”という考え方を大切にしています。
話を息子に戻しましょう。最近では、「ママ、テーブルを拭いてお箸並べておくね!」や「明日は友達が泊まりに来るから、一緒にゼリー作っておきたい」などと言うようになりました。私は息子の姿勢を見て、物事の段取りや計画力、協調性が自然と身についていることを実感しています。もちろん私が「手伝いなさい!」とか「ママは大変なのよ!」などと追い詰めたことは一度もありません。





