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朝ドラ『あんぱん』前半ベストシーン5選!1話まるごと“兄弟ゲンカ”の神回を超えたのは…涙の再会だった!

2025年度前期放送のNHK連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合・毎週月~土あさ8時~ほか)は、ようやく苦しい展開が続いた戦争部分が終わり、“いざ、東京”へと移りつつあります。 本作は“逆転しない正義”を体現する『アンパンマン』を生み出した漫画家・やなせたかし氏とその妻・小松暢氏をモデルにした、愛と勇気の物語。優しくも多様な考え方を持つ登場人物たちが、対話を通じて心を通わせ、成長しながら生きていく姿がとても温かな印象を残します。前半だけでも心に沁みるシーンと台詞が“こじゃんと”ありました。 なかでもアラフォー筆者が印象に残っているシーンをご紹介します。

竹野内豊の愛にあふれた「これ以上の人生はない」

対話のなかで登場人物たちの在り方や価値観を浮き彫りにする中園ミホ氏の脚本が秀逸な『あんぱん』。 作品の前半で嵩(北村匠海)の叔父である寛(竹野内豊)は数多くの名言を残していますが、なかでも寛の人間性の良さが表れていると感じたのが、妻・千代子(戸田菜穂)への愛情に満ちた寄り添い方を見せたシーン(第23回)です。
『あんぱん』⑤

NHK『あんぱん』© NHK(以下同じ)

嵩と嵩の弟・千尋(中沢元紀)が寛の病院を継がないこととなり、「跡取りを産めなかった」と気にする千代子。そんな千代子に、寛は「わしよりこの家に縛られたいのか」「わしは千代子に惚れて、一緒になれて、これ以上の人生はないと思っている」と伝え、肩を抱いたのです! そんなこと!竹野内豊の顔と声で言われたらメロメロ……朝から骨抜きにされたのは筆者だけではないはずです。自分の妻にすら(妻だからこそ?)、何かの役割や世間や自分の価値観を押しつけない寛の存在は、時代を問わず圧倒的に男前。亡くなってしまった今も心に刻まれています。

嵩を想う、奔放な母と“愛国のかがみ”からの檄に涙

第50回では、ついに嵩も出征。出発の日には町の人が見送りに来て「お国のために立派なご奉公を」という空気のなか、嵩の産みの母であり、それまで何度も嵩を傷つけてきた登美子(松嶋菜々子)が放った言葉には涙が止まりませんでした。 『あんぱん』④「嵩、死んだらダメよ」「絶対に帰ってきなさい」「逃げ回ってもいいから、卑怯だと思われてもいい、何をしてもいいから。生きて、帰ってきなさい!」。どれだけ世の中に“非国民”と思われようと、大切な人に「戦地で死んで来い!」なんて思う人間なんていない。 登美子の想いに触れて、“愛国の鑑”といわれたのぶ(今田美桜)も、大切な幼なじみに「生きて戻ってきて」「死んだら承知しない」と心からの願いを涙いっぱいに伝えるのです。口にすることすら許されなかった「生きて」という想い。 それを大好きなふたりから受け取った嵩の顔つきが変わったことも印象的。どんな時代にも普遍的な人の想いに胸が熱くなりました。
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筆者が選ぶ、ベストシーン2位と3位は!?
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