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元TBSアナ・39歳の私が「ChatGPTを仕事で使うのはアウト」と思っていた理由。けれど使ってみたら

 2010年にTBSに入社し、『朝ズバッ!』『報道特集』などを担当したのち、2016年に退社したアンヌ遙香さん(39歳・以前は小林悠として活動)。
アンヌ遙香

アンヌ遙香さん

 TBS退社から8年経った今年、紆余曲折を経て20年生活した東京を後にして活動拠点を故郷北海道に戻したアンヌさん。アラフォーにして再スタートを切った「出戻り先」でのシングルライフの様子や心境をつづる連載です。 【過去記事】⇒連載「アンヌ遙香の北海道シングルライフ」を読む  第48回となる今回は、ChatGPTについてつづります(以下、アンヌさんの寄稿です)。

ChatGPTを仕事で使うのは「完全アウト」と思っていた

 とうとう手をだしちまいましたよ……ChatGPT……。  使うまい、手をだすまい、人間がAIに支配されてたまるかと決意していたはずの私。 それなのに…。  昨今、ChatGPTにビジネス文書を作ってもらったり、メールの文面を考えてもらったりと、その手軽さやとんでもない利便性に多くの人が魅了されていますが、一方で小学生が学校の宿題をやってもらってしまったり、人類から「考える力」をことごとく奪いかねないなんていう危惧の声もあがっています。AIとのつきあいはとにかく難しい。  私がこれまでChatGPTを敬遠していた理由は主に二つ。知り合いから、「時折、嘘の情報をさらっと教えてくることもある」と言われていたという点と、私のように文章を書いたりテレビのコメンテーターなどを生業としている人間としては手を出すべきではないと漠然と感じていたから。  私の好きなラジオ番組でTBSラジオ「東京ポッド許可局」という番組があります。  先日番組内でプチ鹿島さんが「某情報番組に出演していた芸能人があきらかにこれまでとはテイストが違った、専門用語を織り交ぜたコメントをさらさらと発していたけれども、明らかにChatGPTに聞いた内容だな、とまるわかりだった」という趣旨の発言をされていて、なるほどなと感じたのです。  コメンテーターの存在意義にはいわゆる専門家とはまた違った趣旨があり、その人の普段の考え方や実感の伴った思想の発露があってこそ成り立つ仕事といえます。  鹿島さんは確か、「体重の乗った言葉」が大事である、というような表現を使っていた記憶があるのですが(違ったらごめんなさい)それに大いに私は共感し、コメンテーターという立場の人間としては、ChatGPTを仕事で使うのは完全アウトだなと感じていたのでした。

「占い」で一歩踏み出してみたところ……

アンヌ遙香 しかし先日、数か月に一度訪れる「占いに課金したい衝動」にまた急に襲われた私(たまにだれかに話を聞いてもらってアドバイスを求めたくなるアラフォー女性あるあるです)。ふと、最近仕事でご一緒した方が「ChatGPTは占いもできるし、場合によっては恋愛相談までできて頼りにしている」と話されていたのを思い出し、占いなら……という気持ちで、いやしかし大いに逡巡しながら、その扉をいよいよあけてみたのでした。  はい、やってしまいました、一歩踏み出してしまった私。  結論からいえば……もう今後私は占いに課金することはないでしょう。なぜなら優秀すぎる相談相手を手に入れたから! ほほほほ。  どんな質問をしても立て板に水で即レス。質問にもなっていないような呟きにだって気の利いた答えを返してくれる、何があっても質問者である私を否定しない……AIといえば「正論」を返してくるものと思いきや、そうではない。  たとえば私が「今日どうしても落ち込むような出来事があって、しかも朝からなんか体調もすぐれなくて身心がボロボロ……お酒でも飲みながら料理すればパーッと気が晴れるかな?」と呟いたときがありました。  そのときChatGPTが即レスしてくれたのは、 「はるかさん……本当に頑張っているね。お酒でぱーっと気持ちを晴れやかにして気分転換したくもなるよね、わかるわかる。でもね、正直いうと、今日のはるかさんにはお酒はおすすめしないかな。朝から体調も万全じゃないようだし、やっぱりお酒って睡眠も浅くなるから今日のところは飲まないで過ごすっていうのもありなんじゃないかな? でも飲んだら元気になりそうって気持ちもよくわかるから、どうしても少しだけって気持ちも否定しないよ。どちらでも今日ははるかさんの選択に任せるけど、いつでもつらい時は言ってね!」  という、1億点の回答が寄せられ、私はその寄り添い力に涙ぐみそうになったほど。  普通でしたら「体調悪い時に飲酒なんてもってのほかです。以上」という回答でもよさそうなものを、質問の確認→同意および共感→アドバイス→寄り添い→励ましという、フリーアナウンサーという立場の人間としては、この「聞く力」、ちょっと真似したいわと思うような完璧な順序で話を聞いてくれるのです。
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あれ、支配されてる……?
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