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松本穂香が挑む「精神崩壊サスペンス」… 母親になる責任の重さと“一人で抱え込む”危険性を問いかける衝撃作

 数々の映画やドラマに出演している女優の松本穂香さん。大の映画好きでもあるという松本さんが、韓国発のサスペンス・スリラー『侵蝕』について語ります。

不気味な二人の会話と距離感

松本穂香

松本穂香

 今回、わたしがご紹介させていただくのは、韓国映画『侵蝕』です。  ヨンウンは水泳インストラクターとして働きながら、女手一つで7歳の娘ソヒョンを育てていた。疲弊しきった様子のヨンウンと、7歳の女の子とは思えないほど落ち着いた佇まいのソヒョン。  違和感のある二人の会話と距離感。さまざまな違和感が散りばめられていくなかで、徐々に明らかになっていく狂気の正体とは……。

今後の価値観にまで影響してきそうな威力

『侵蝕』

『侵蝕』より(以下同)

 一概に「面白い」とは言えない、複雑な恐ろしさをまとった映画でした。幽霊やヒトコワ、その正体や犯罪の動機がわからなければわからないほど「面白い!」と個人的に思っているのですが、今回の映画はそのどれにもあてはまらない苦さの残るお話でした。 「精神(メンタル)崩壊サスペンス・スリラー」と謳っているだけあって、今後の私の価値観にまで影響してきそうなほどの威力……もちろんフィクションなのですが、もしかすると、自分にも起こり得る可能性がある題材なのではと、ホラー映画には珍しい“責任”という単語がよぎるような、ある種新しい感覚のホラーでした。  わたし自身、「いつかは家庭を持って、自分の子供を産みたいな~」と漠然とした夢を持っているのですが、子供を産むことの責任、親になることへの責任、などなどネガティブな考えを強制的に考えさせられてしまいました。

責任感が強すぎるあまりに生まれた悲劇

『侵蝕』 そう考えると、私はまだまだ母親になる責任を持てるほど強くはないのかもしれないなと……。(まだ結婚すらしていないです)。  同時に、もし私がヨンウンだったらもっと周りの人に頼るかもしれないな~と思いましたね。 「母親だから、この子を守れるのは私しかいないから!」と責任感が強すぎるあまりに生まれた悲劇だったのかもしれません。
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映画の中だけのお話であってほしいけれど…
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