「倒れる寸前」遠藤憲一(64)が語る人気料理番組の裏側。「何やってるか、全然覚えてない」
演技力や存在感はもちろんのこと、その人柄でも支持を集める俳優・遠藤憲一さん(64歳)。今年も続々と出演映画が公開されており、現在はカンヌ国際映画祭の監督週間に、日本人史上最年少の26歳で選出された団塚唯我監督の『見はらし世代』が公開中です。
母の喪失をきっかけに姉弟と疎遠になっていた父・初(遠藤)を演じた遠藤さんに、作品や監督への印象を取材。また家族の物語にちなみ、結婚35年目でマネージャーでもある妻との関係や、遠藤さんが不器用に料理に取り組む姿が人気の『きっちりおじさんのてんやわんやクッキング』(BS朝日)についても聞きました。
――『見はらし世代』の脚本を読まれたときの印象を教えてください。
遠藤憲一さん(以下、遠藤):不思議な作品だなと。すごく若い監督だったので、どういう風に撮るのか正直、分かりませんでした。それで以前に撮られた短編を見せていただいたら、すごく力があって、その短編で描き切れなかった部分を、長編で撮りたいんだなという意向が分かったし、脚本云々というより、とにかくその一発目の短編で力がある人だというのが分かりました。それでやってみようと思ったのが一番です。
――力があるとは、具体的にどういった点ですか。
遠藤:撮り方とかかな。あと脚本でも、後半にびっくりするような展開があるんだけど、そこが特別な感じじゃなくて普通に描かれているんだよね。
――後半の展開には本当に驚きました。
遠藤:ネタバレになるから詳しく言えないんだけど、一見、ホラーとかファンタジーにしちゃえるような出来事が起きるんだけど、そうはしない。それが斬新で。実際の撮影でも、監督は人の心の変化がすごく分かる人なんだろうというのが伝わってきました。
――家族の関係を見つめた繊細な物語です。現場の雰囲気はいかがだったのでしょう。
遠藤:現場はさ、俺と息子役の黒崎(煌代)くんがふたりともゲラだから、どちらかがわらい出すとすぐに移っちゃうから本当に大変だったんだよ。姉役の木竜(麻生)さんと3人のシーンとかは、彼女にも移っちゃって、3人でゲラゲラ笑い出しちゃったりして。そのうちいい加減、助監督が近づいてきて、俺と黒崎くんに「この映画はもしかしたら海外に評価される映画になるかもしれません。もっと集中してください」って。いい歳したオヤジと、20代の俳優が一緒になって怒られてました(笑)。
――物語上は疎遠な関係性でしたが、現場は仲良しだったんですね。そして事実、カンヌ国際映画祭へ出品されました。
遠藤:すごいですよ。
――遠藤さんの20代、特に団塚監督と同じ20代後半を振り返るとどんな時期でしたか?
遠藤:20代はいろいろ勉強してたかな。映画を観たり、音楽を聴いたり、脚本を書いたり。俳優業ではまだ犯人役が多かったな。刑事役もあったけど、犯人も多かった。
――収入はある程度確保できるようになってきていたのでしょうか。
遠藤:いや、まだだったね。バイトはしてなかったけど。29歳まで共同トイレの4畳半の木造アパートに住んでた。まだ何の潤いもなく。で、29歳で結婚して、これで共働きだからなんとかいけるぞと思っていたら、女房が結婚を機に仕事を辞めちゃって、「ああ、虫がよかったか」と。しばらくは借金しながらなんとか生活していました。
――そこから駆け上がっていきました。結婚を機に、改めて気合を入れ直したのでしょうか。
遠藤:そうだね。
母の喪失をきっかけに姉弟と疎遠になっていた父・初(遠藤)を演じた遠藤さんに、作品や監督への印象を取材。また家族の物語にちなみ、結婚35年目でマネージャーでもある妻との関係や、遠藤さんが不器用に料理に取り組む姿が人気の『きっちりおじさんのてんやわんやクッキング』(BS朝日)についても聞きました。
20代の監督の初長編映画に出演
――力があるとは、具体的にどういった点ですか。
遠藤:撮り方とかかな。あと脚本でも、後半にびっくりするような展開があるんだけど、そこが特別な感じじゃなくて普通に描かれているんだよね。
――後半の展開には本当に驚きました。
遠藤:ネタバレになるから詳しく言えないんだけど、一見、ホラーとかファンタジーにしちゃえるような出来事が起きるんだけど、そうはしない。それが斬新で。実際の撮影でも、監督は人の心の変化がすごく分かる人なんだろうというのが伝わってきました。
下積み時代、風呂ナシ4畳半アパート暮らし…結婚で奮起した過去
――遠藤さんの20代、特に団塚監督と同じ20代後半を振り返るとどんな時期でしたか?
遠藤:20代はいろいろ勉強してたかな。映画を観たり、音楽を聴いたり、脚本を書いたり。俳優業ではまだ犯人役が多かったな。刑事役もあったけど、犯人も多かった。
――収入はある程度確保できるようになってきていたのでしょうか。
遠藤:いや、まだだったね。バイトはしてなかったけど。29歳まで共同トイレの4畳半の木造アパートに住んでた。まだ何の潤いもなく。で、29歳で結婚して、これで共働きだからなんとかいけるぞと思っていたら、女房が結婚を機に仕事を辞めちゃって、「ああ、虫がよかったか」と。しばらくは借金しながらなんとか生活していました。
――そこから駆け上がっていきました。結婚を機に、改めて気合を入れ直したのでしょうか。
遠藤:そうだね。


