更新日:2026.09.16 17:05
Entertainment
News

山上被告を「山上くん」と呼び批判集まるキムラ緑子。それでも正面から対峙せず役柄と結びつける“批判側のセコさ”

 政治的な発言は封じられるべきではありません。  しかし、一方で、考えを伝える際には誤解を避けるために、なるべく正確な言葉遣いをすることも必要なのかもしれません。  人気ドラマに数多く出演するベテラン女優・キムラ緑子の発言が物議を醸しています。

入管批判、「山上くん」呼びが物議

 9月5日に自身のInstagramで外国人に対する東京出入国在留管理局の対応を批判したところ、大炎上してしまいました。  クルド人とスリランカ人家族を強制送還させたことに関連して、<この入管の人たちも普通の日本人なんだろう>と嘆き、<となれば、そりゃ南京大虐殺もするし、朝鮮人虐殺だってまちがいなく、したわな。するする。ああ 嫌です、いやです>と、日本の対応が冷酷非道だと批判したのです。  しかし、これに反論が殺到。<入管政策への批判そのものはわかる。けれども、そこから南京大虐殺から朝鮮人虐殺へと話が飛躍してしまうことがおかしい>とか、<芝居は好きだったけど、さすがにこの発言はない>といったコメントが相次ぎました。    そして、これをきっかけに彼女の過去の発言が蒸し返される事態にもなっています。  今年1月21日のInstagramへの投稿で、同日、奈良地裁から無期懲役判決を言い渡された山上徹也被告に言及。<山上くんの無期懲役には全く納得いかんわ>と同情を示すような文章を投稿していたことも議論を呼んでいるのです。  特に、山上被告を「くん」という呼称で表記したことに激しい反応が寄せられました。    こうした政治的な思想から、キムラ氏が直近で演じる役柄との乖離に疑問を呈する声も聞こえてきます。  つまり、役柄と一個人としてのキムラ緑子がかけ離れていることが、ドラマに悪影響なのではないか、というわけです。

役柄と政治思想を結びつける批判の“姑息さ”

 これにキムラ氏が改めてInstagramで反応しました。 <私の投稿ですごいたくさんの方々が嫌な気分になってしまって本当にごめんなさい>と謝罪の形式を取りつつ、思想家、内田樹氏の新聞コラムを撮影した写真も掲載したことでさらに憶測を呼ぶ事態に。  内田氏のコラムでは、自らを絶対に正しいと信じる大衆の危うさを論じた哲学者のオルテガ・イ・ガセットの文章が引用されていたことから、これが彼女を批判した人たちのことを指しているのではないか、と言われているからです。  そして現在もキムラ氏のInstagramには、引き続き批判や反発のコメントが寄せられているとのこと。  さて、こうした事情を踏まえて、まず指摘すべきは、キムラ緑子が自身のSNSで何をどのように表明しようと、それが公序良俗に反するものでない限り、何もとがめられることはないという点です。  その上で、彼女を批判するやり口が姑息なのは、ドラマの役柄とリンクさせているからです。つまり、本来は「思想的に許せない」とだけ言いたいものを「それはプロの役者として好ましくない」という、オブラートに包んだ技術論でキムラの政治思想に釘を刺そうとしているところが、本当にセコいのです。  正々堂々と表明したキムラ氏に対して、「プロの役者としてどうなのか?」というクッションを挟まなければ、政治的に対峙できない。  今回、彼女を一斉に攻撃した人たちは、その意味で弱さを露呈してしまったと言えるのです。
次のページ 
主張をかえって弱めた「山上くん」という一言
1
2
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ