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「面白かったけど…」『Tシャツが乾くまで』に“共感できない”人たちの言い分。ずっと続いたモヤモヤは“狙い通り”だったのか

 9月11日に最終回を迎えたドラマ『Tシャツが乾くまで』(TBS系)。『silent』(フジテレビ系)をはじめ、これまでヒット作を手掛けてきた生方美久氏が脚本を担当するということで、放送前から注目を集めていた。そして放送が始まると、先の読めない展開、心を掻き乱す会話劇などにより、多くの視聴者をくぎ付けにし、ラストまで大きな盛り上がりを見せた。
画像:『Tシャツが乾くまで』TBSテレビ公式サイトより

画像:『Tシャツが乾くまで』TBSテレビ公式サイトより

 ただ、ストーリー展開や登場人物の言動に首をかしげる人も多く、決して絶賛一色ではない。最終回の放送終了後にも、SNS上には賛否両論が寄せられている。最後まで一言物申したい人が多かった理由を考えたい。

重厚なサスペンスを期待したら

 まず描き方についての言及は少なくない。1話で凄惨な事故に遭い、幼い1人息子・翔(久保田薫)を残して亡くなったあずさ(夏帆)が、“イマジナリーあずさ”として各登場人物と軽快にコミュニケーションをとっていた。最終話では面識が一切ないはずの咲子の前に姿を現すなど、あずさの作中での扱われ方に首を傾げたくなる瞬間は筆者としても結構あった。SNSを見ても、そこに違和感を覚えた人は少なくなかった印象だ。
 また、1話は「本当にあずさは亡くなったのか?」「事故ではなく事件だった可能性も?」など、いろいろ考えを巡らせたくなる、重厚なサスペンスドラマの始まりを予感させる幕開けだった。しかし、蓋を開けてみると、会話劇中心のヒューマンドラマだったことに拍子抜けした人もいたのではないか。

見たい展開しか見たくない人たち

 共感できない部分が多かったことも背景にありそうだ。充(松山ケンイチ)の失踪癖や、咲子(蒼井優)のバツ4など、主要キャラが抱えている苦悩に共感できないという人は珍しくなかった。とはいえ、充が失踪癖になった理由、咲子がバツ4になった理由は説明されている。  充は「子に無関心な親」に育てられた結果、人と深い仲になることが難しくなった。一方、咲子は”毒気味”の親に育てられた結果、“理想の家族”を希求するようになった。丁寧に描かれていたわけではないが、決して説明不足だったとは思わない。  そもそも、生方氏が放送前に番組公式サイトで「共感や感動を目指した物語ではないので、人間観察の感覚でお楽しみください」とコメントしている通り、そこはむしろ計算通りな部分と言える。それでも、咲子や充の共感できない言動や性格を人間観察として楽しめず、中には腹を立てる人さえ出てきたことを鑑みると、共感できる展開、もとい“見たい展開”しか見たくない人が少なくないのかもしれない。
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性愛に由来しない男女の幸福
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