楽しかった夏祭り…家庭環境が違い過ぎる二人に訪れた別れが切ない
夏といえば海水浴、夏祭り、花火大会など、楽しいイベントがたくさんありますよね。恋人同士にとっては、ステキな思い出ができる季節でもないでしょうか。
主婦の和美さん(仮名・35歳)は、昔付き合っていた博之さん(仮名)と夏祭りに行った日のことが忘れられないといいます。
「夏になると、あの楽しくて悲しかった夏祭りの日を今でも思い出すんです」
和美さんと博之さんは、共通の友達を通して、お互いが20代前半の頃に知り合いました。
「私は本当は大学に進学したかったのですが、家にそんな余裕はなくて、高校卒業後、就職しました。博之は裕福な家庭。中学から大学まで私立で、大学卒業後は大手企業に就職。私とは育ってきた環境がまるで違う人でした」
和美さんの当時勤めていた会社は大卒の人が多く、ときには露骨に学歴を馬鹿にされることもあったそうです。
「博之にも引け目を感じて、『やっぱり大卒から見たら、高卒ってダメ?』と、返事に困るようなことをふと聞いてしまったことがあって……。そしたら、博之は『人間は学歴で決まるものじゃないと思う。俺からしたら、和美は自分なんかよりよっぽど立派な人だよ』と言ってくれたんです」
それがきっかけとなり、親しくなった2人は交際することに。ところが、交際して1年も経つと、だんだん揉めることが増えてしまったそうです。
ずっと実家暮らしで、給料の大半を家に入れていた和美さん。
「博之から『なんでまだ実家暮らしなの?』と聞かれることがあって。『実家暮らしのほうが家にお金を入れられるから』と私は答えていました。あるとき、博之に、『最初は和美のそういう健気なところに惹かれていたけれど、いつまでも家族に縛られているのはよくないよ』と言われたこともあります。そのときは相当揉めました」
今思えば、確かに博之の言うことは一理ありましたね、と和美さんは寂しそうに言います。
「私は、また博之に劣等感を抱くようになってきました。仕事でも空回りしてばかりで、だんだん自分が惨めにしか思えなくなったんです。家族を支えることを原動力に働いていた私と、給料は生活費以外自由に使える博之。やはり、育ってきた環境が違ったんです。揉めてしまっても当然だったんですよね」
気持ちのすれ違いを感じながらも、付き合ってから2年目の夏、2人は夏祭りに行くことになりました。
「人間は学歴で決まるものじゃない」
どうしても家族に縛られてしまう
今思えば、確かに博之の言うことは一理ありましたね、と和美さんは寂しそうに言います。
「私は、また博之に劣等感を抱くようになってきました。仕事でも空回りしてばかりで、だんだん自分が惨めにしか思えなくなったんです。家族を支えることを原動力に働いていた私と、給料は生活費以外自由に使える博之。やはり、育ってきた環境が違ったんです。揉めてしまっても当然だったんですよね」
気持ちのすれ違いを感じながらも、付き合ってから2年目の夏、2人は夏祭りに行くことになりました。
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