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なぜ、真面目な子ほどセフレ扱いされるのか?

「付き合う前にセックスをするのはアリかナシか」
勝部氏

東京ミッドタウンでパークヨガ!心地良いです(勝部)

「一度はこれについて考えたことある人も多いはず。雑誌やネットのコラムをはじめ、賛否が様々なところで論じられていますね。とある男女関係が失敗した時に、「付き合う前にセックスしたことが良くなかったのでは……」と考え、このような疑問を持つのでしょう。  ですが、正直なところ、これほど不毛な議論は無いと私は思っています。というのも、問題の原因は、付き合う前に体の関係を持つか否かとは一切関係無い場合が多いからです。  そもそも「付き合う」って何でしょうか? ここ日本では、「付き合いましょう」「そうしましょう」という段階を踏んでいるかどうかが、正式交際であるか否かを決める最もオーソドックスな考え方です。その一方、「付き合ってください」に相当する言葉が無く、日本式告白スタイルを「形式的に感じる」という文化圏も多くあります。実際に日本でも、正式交際の申込みという儀式を経ていなくても、自然な流れでラブラブになったカップルがいる一方で、正式交際の申込みをしても仲が悪く、数回しか会わずに別れるカップルもいるわけです。  本来、恋愛は心と心の関係のはず。ところが私たち日本人の多くは、左脳モード全開で交際の「外見」ばかり気にして、交際の「中身」を見定める能力や、交際の「中身」を充実させようとする意志に欠けているのではないでしょうか? そのため、女性を騙すために外見だけ取り繕う狡猾な男性から格好のターゲットにされる一方、交際の中身を大切にしたいと思っている人間味のある男性からは避けられるという悪循環にハマってしまっているのです。  また、セックス観にも問題がある場合があります。「付き合う前にヤラせちゃダメ」というアドバイスがありますが、この「ヤラせる」という言葉を略さず言えば、「私が彼にセックスをさせる」となりますね。この場合、「ヤる」の主語はあくまで男性であり、「私」は使役動詞の主語になっているに過ぎません。つまり、セックスというのは男性がするものであって、自分はそれを許可・提供する側という意識があるのではないでしょうか?  このセックスというコミュニケーションへの参画意識の欠如とセックス観の歪みが、「自分の快楽のために肉体を提供してもらいたい」と思っている不健全な性欲を持った男性との相性が良い一方、「一緒にセックスを楽しもうという意思のある女性が良い」という健全な性欲を持った男性からは避けられるという悪循環にハマってしまっているのです。  さらに、付き合う前にセックスしてはいけない理由として「セフレ枠になってしまうから」と言う人は多くいます。ですが、そもそもセフレ扱いをされているのは、付き合う前にセックスをしたことが原因ではなく、単純にアサーション(より良い人間関係を構築するためのコミュニケーションスキルの一つで、「人は誰でも自分の意見や要求を表明する権利がある」との立場に基づく適切な自己主張のこと)ができないだけ、ということが少なくありません。  自分の意思が弱く、好意があっても伝えられず、コミュニケーションも受動的。このようなノンアサーティブな人ほど、相手を性欲処理の道具のように使おうと思っている狡猾な男性から都合の良い女性と思われる一方、しっかり意見を述べ合って対等で深みのある関係の構築を目指している健全な男性からは避けられるという悪循環にハマってしまっているのです。  では、なぜ外見に囚われ、参画意識が弱く、アサーションができないという状況に陥ってしまうのでしょうか?様々な原因がありますが、その中でも自己肯定感が低いことや自分に自信が無いケースが散見されます。ただそれゆえに、弱い女性が大好物の狡猾な男性から格好のターゲットにされる一方、自信のある魅力的な女性が好きな魅力的な男性からは避けられるという悪循環にハマってしまっているのです。  このように、付き合う前にセックスをするのはアリかナシかなんて不毛な議論をするのではなく、交際の外見よりも中身を大切にすること、参画意識を持つこと、アサーティブになること、そしてそのような人間関係の構築を通して、少しずつ自分に自信を付けて行くことを心掛けて行って欲しいものです。 ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】 【勝部元気氏】 コラムニスト。ジェンダー論、現代社会論、コミュニケーションを切り口にした男女関係論が専門。男性でありながら子宮頸がんワクチンを接種。『勝部元気のラブフェミ論』(http://ameblo.jp/ktb-genki/) twitterは@KTB_genki
勝部元気
1983年東京都生まれ。早稲田大学社会科学部卒。コラムニスト・社会起業家。専門はジェンダー論、現代社会論、コミュニケーション論、教育論等。他にも幅広い知識習得に努めており、所持資格数は66個にのぼる(2015年6月現在)。雑誌・TV・web等でコメンテーター活動をしている他、働く女性の健康管理を支援するコンサルティング会社(株式会社リプロエージェント)の代表取締役CEOを務めるなど、各種ソーシャルビジネスに携わっている。ブログは、男性なのに子宮頸がん予防ワクチンを打ったレポートが話題となった。twitterは@KTB_genki 。初の著書『恋愛氷河期』(小社刊)は発売中
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恋愛氷河期

著者は、ナンパ禁止論や反・不倫論で話題を呼んでいるコラムニスト。男性から、かつ若手からの立場で、女性に厳しい社会に真っ向からダメ出しをする。

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