Gourmet

女性に大人気!ぷるぷるの「おもろ煮」ってなに?

―酔っ払いの達人・大竹聡オススメの名店― 週刊SPA!にて連載中の「アホほど飲むな!」。『酒とつまみ』元編集長・大竹聡氏が、アホほど飲んじゃった愛すべき人々のおりなす人間模様を綴ったエッセイなわけですが、当欄では大竹氏「オススメの名店」についても少し紹介しています。女子SPA!では、誌面に載った名店の魅力について、より詳しくご案内していきたいと思います。

「みそ焼」のルーツはここだった

やきとり

二代目店主の石塚さんは若くてイケメンです

 JR蕨駅東口を出て徒歩3分、大きな赤い提灯と紫紺の暖簾が目印のやきとり「㐂よし」。昭和44年に創業し、現在は二代目の石塚さんがその味を継いでいる。名物の串焼は、「みそ焼」「たれ焼(しょうゆ)」「しお焼」の三種類のタレがある。実はこの「みそ焼」、野方の名店、「秋元屋」(本誌連載8月14・21日合併号にて紹介)のルーツとなった味なのだ。㐂よしの「みそ焼」に惚れ込んだ秋元屋の店主が、石塚さんのもとへ修行に来ていたそう。今では孫弟子、曾孫弟子の店も登場している。  今回、注文したのは、大瓶ビール(=通称「赤星」550円)と「とり豆腐」(400円)、そして名物「串焼一人前6本」(500円/かしら、タン、ハツ、レバ、シロ、ナンコツの中から好きなものを選べる)。秘伝のタレは、みそ焼を選択。やや甘めの味つけに、たっぷりのニンニクが酒欲を誘う! また、とり豆腐は塩加減が胃と心を優しく温めてくれる味つけで、そのまま食べてもいいが、白飯を投入して雑炊風にしたい気持ちに駆られた。

勘違いから生まれた?「おもろ煮」は女性にも大人気

 壁に下がっている品書きを見ていて気になったのが「おもろ煮」。名前だけでは何だか正体がつかめないので大将に聞いてみると「豚足を煮込んだもので、女性のお客さんに人気なんですよ」とのこと。諸説あるが本来の「おもろ煮」とは、“豚尾”を煮込んだ沖縄料理(豚足は「てぃびち」という。また静岡県の浜松、磐田など、豚足のことを「おもろ」という地方も)のこと。ところが脱サラして㐂よしに修行に来ていた男性が、豚足を使用して作ったため、そのままお店に出すようになったそう。  出てきたそれは、じっくりと煮込まれた豚足に甘めの醤油タレがかけられ、ふわふわのトロトロ、そして口に含むとモチモチとした食感に。見た目よりもさっぱりした味で、コラーゲンもたっぷりなので、女性人気が高いのもうなずける。夢中になってしまい、無言で完食!  串焼ファンに長年、愛され続けている元祖「みそ焼」とニューウェーブ「おもろ煮」が味わえる㐂よし。蕨まで足を延ばす価値アリです。 「㐂よし」 【住所】埼玉県川口市芝新町2-11 【電話】048‐266‐1002 【営業】17:00~23:00(月~金曜日) 17:00~21:00(土曜日) 【定休】日・祝祭日・年末年始 <撮影/菊竹 規 取材・文/おはつ(本誌)>
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