あぁ結婚格差。「恋人さえいない独身」が激増中
結婚して子供を持つ。ごく当たり前のように聞こえる言葉ですが、実現できる人/できない人の格差が、いっそう広がっているようです。
「ベネッセ教育総合研究所」が、子供がいない25~45歳の男女4159名(未既婚はほぼ半々)に調査を行い、今年12月に「未妊レポート」として発表しました。
すると既婚男女の6割前後が「子供を欲しい・できれば欲しい」と答え、その7割が「今すぐにでも」と答えました。女性は「すぐにでも欲しい」の割合が、2007年調査の60.8%から、今回は74.0%に急増して、メディアでは「少子化対策に光明が」といった感じで明るいニュースとして取り上げられました。
確かに私(40代前半・独身男)の周りでも、既婚者は子づくりにやる気マンマン、「頑張るでぇ~」なご様子。
ところが、未婚者のデータに目を向けると、男女とも5割以上が「子供が欲しい・できれば欲しい」と思いながら、実際は「お付き合いするお相手すら見つからない」という厳しい現実が分かってきたのです。
「将来結婚したいですか?」という問いに対し、未婚男性の50.5%、未婚女性の63.2%は、「ぜひ」できれば結婚したい」と答えているのですが、その現実は……。
<未婚女性>
・交際している人がいて、その人と結婚が決まっている…… 9.5%
・交際している人はいるが、結婚は決まっていない…… 27.0%
・交際している人はいない…… 63.5%
<未婚男性>
・交際している人がいて、その人と結婚が決まっている…… 4.1%
・交際している人はいるが、結婚は決まっていない…… 21.9%
・交際している人はいない…… 73.9%
と、未婚男女とも、たったの1割以下しか結婚相手が決まっていない、というなんとも切ない結果に。
私も含めて「そもそも子供のことよりも、とにかく恋人が欲しいのよっ(絶叫)」という30、40歳代はかなり増えているような気がするんですが……。
実際、未婚女性で「交際している人はいない」人の割合は、2007年の50.4%から今回の63.5%へと、13%も増えているのです(2007年調査は女性のみ)。この6年でそっくり13%が「彼氏ナシ」のカテゴリーに移行したことに。その割合は年齢とともに増えて、35歳を超えると7割前後が「彼氏ナシ」です。
つまり、結婚した女性は「今すぐ子供が欲しい」人が急増し、結婚していない女性はそれよりずっと手前の「そもそも彼氏がいない」人が急増している。
既婚者と未婚者の“格差”が広がっているわけです。
確かに正規社員と非正規、収入の差、モテと非モテなど、いろいろなところで格差は広がっています。こんな時代だからこそ、まずは我々のような未婚者がハマリがちな“あきらめの境地”から脱出する気持ちを持ちたいものですが……。
公的な調査でも、同じような結果が出ています。未婚女性の6割・男性の7割が「異性の恋人・婚約者はいない」(2010年、第14回出生動向調査)。しかも、調査を重ねるたびに「いない」の割合が激増しています。
ということは「フリーの女性」も「フリーの男性」も街にゴロゴロしているのに、なぜか出会いがないというミスマッチが起こっているということなのかも。
でも、独身男の私がアタックした女性に、3人続けて「好きな人がいるので……」と断られたのはいったいどういうコトだ!? 確率的にはあり得ないはず。
さらに、たいていの調査で「恋人なし」の割合が、男性のほうが女性より1割ほど高いのはどういうことだ?(男女の人口はトントンなはずなのに)。
そうか、モテる男が二股かけてたり、既婚男が不倫したりしているんで、我々には回ってこない、という事なのか……。まあ、めげずに頑張ります。
<調査概要>
「未妊レポート」
ベネッセ教育総合研究所(ベネッセコーポレーションのシンクタンク)
調査方法:インターネット調査
調査期間:2013年9月6日~2013年9月9日
有効回答者数:4159人
回答者の属性:首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)、愛知県、大阪府、福岡県在住の25~45歳の子供がいない人、妊娠していない人(内訳)未婚男性…1037人、未婚女性…1039人、既婚男性…1035人、既婚女性…1048人
<TEXT/関谷知生 PHOTO/Olga Yastremska >
既婚者は「子供をすぐ欲しい」、独身は結婚のアテさえなし
