「香取慎吾と付き合いたい」29歳・非モテ嬢の自意識
多くの女性が「男に愛されるようにふるまおう」と一生懸命になっている昨今。ところが、それに逆行するように、“モテない・媚びない”ことをアピールして、自分を「喪女」と称する女性たちがいる。いったいなぜ!? 自称・喪女の人たちに聞いてみた。
<韓流>
韓流好きの女性は多いが、清水明子さん(仮名・26歳)の場合は“韓流に熱中している自分”自体をアピールの一環としてとらえているきらいがある。
韓流グッズ、DVD、韓国旅行など、身を滅ぼすほどのお金を使ってのめり込んでいた矢先、新大久保を歩いていたときのことだ。
「韓国人にナンパされて、本気で恋をしたのですが、喪女友達と一緒に歩いていたため、自意識がブレーキをかけてしまって、男性に連絡先を聞けませんでした……。ここで恋へ一歩踏み出せば、喪女を卒業できたかもしれないのに。
一方で、喪女のくせにそんなことしたら恥ずかしい、というジレンマに挟まれて身動きが取れなくなる。喪女の悪しき自意識です。でも、そんな自分もそれはそれでいいと思っていて、言ってしまえば“喪女プレイ”をどこかで楽しんでいるんですよね」
その後、わざわざ同じ場所を同じ時刻に歩き、彼との再会を夢見続けていたのだが――後日、そのナンパを受けた場所は「宗教勧誘で有名な地域」という事実を知り、全身に発疹ができるほどのショックを受けてしまった。と言いながらも、どこか楽しそうに自虐トークを続ける清水さんであった。
<上から目線>
20年来のアイドル好きだと豪語する田宮昌子さん(仮名・29歳)は、大のイケメン好き。30歳手前にして、今なお理想の彼氏(SMAPの香取慎吾)を追い求めている。
「香取ちゃんほどいい人はいないよね! イケメンだし、明るいし。私のことを包んでくれそう」
とはいえ、香取慎吾のような人間と出会い、しかも付き合える可能性はゼロに近い。はっきり言って、夢を見すぎじゃないですか!?
「夢は追いかけたいじゃん! 今までに1人だけ付き合ったことあるけど、イケメンじゃなかったし、正直好きだったかどうかもわからないね。まぁ、最悪イケメンじゃなくても、何かひとつでも秀でているものがあれば考えてあげる(笑)。
いや~、男なんてチョロイですよ。Twitterでちょっと下ネタを言えば、“ふぁぼ”を稼げるし。それに下ネタを言える私って、普通のコよりも、おもしろみがあると思いません? 芸人みたくカラダ張ってて」
確かに、田宮さんは横幅が広く、ファッションにも無頓着で、お笑い芸人寄りの見た目。この上から目線が、喪女プレイなのか本気なのか、もうわからなくなってきた……。
<TEXT/朝井麻由美 黒田知道 PHOTO/Adam Borkowski>
― 非モテをアピールする自称・喪女の肖像【4】 -