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木下優樹菜も…ママタレ界の「炎上」は賢いサバイバル術?

 競争が激化中のママタレ(ママタレント)枠。2013年、ネット上でよくも悪くも目立っていたのは、紗栄子さんや神田うのさん、長谷川理恵さん、辻希美さんあたりでしょう。『女性自身』の「好き&嫌いなママタレランキング」や『週刊女性』の「女が嫌いなママタレランキング」で上位にランクインしていた、常連ともいえる人たちでした。

13年下半期から存在感を高めたユッキーナ

木下優樹菜

木下優樹菜の公式ブログ

 しかし、これはあくまでも昨年のデータです。これから同じような調査をする場合、新たにランキングに踊り出てきそうな有力候補が台頭してきました。それも、2013年下半期から、鬼女にロックオンされてしまったユッキーナこと木下優樹菜さん。  昨夏、ユッキーナは毎月のようにブログを炎上させていました。PAの屋台で販売されている冷やしきゅうりの容器で哺乳瓶を冷やしたり、怖がる娘をチンパンジーの檻に近づけたりと、叩かれそうな内容ばかりをアップしていたのです。娘の裸の写真をアップしたことも物議をかもしていました。  もちろん「叩かれ系ママタレ」の代表格ともいえる辻ちゃんも、今月17日に子どものお弁当に「肉まん」を入れてネット上を沸かせていましたが、「また叩かれてる」「また炎上してる」といった鈍い反応が多かったと思います。彼女が炎上することは十分に認識されているため、炎上ママタレのニューフェイスとして、ユッキーナが注目され始める素地がありました。  リアル社会で普通の女子に高い人気を誇るユッキーナが、ネット上でも別の意味で注目を集める存在になったのです。

「インスタグラム事件」が勃発

木下優樹菜,インスタグラム

木下優樹菜さんのインスタグラムより

 しかし、年が明けて数日後の1月10日、これまでとは比べ物にならない話題性のある炎上事件が勃発。騒動のきっかけは、ユッキーナが味噌汁やぶりの照り焼きなどの手料理を写真共有SNS「インスタグラム」に投稿したことに遡ります。「昨夜飯 ひさびさにごはんつくったw」とのコメントが添えられていたように、久々のおうちごはんを何の気なしに投稿していたようでした。  フォロワーを約18万人(2014年1月22日現在)も抱えるせいか、毎回数百件ものコメントが寄せられていて、ひとつひとつ読むのはもちろん、流し見するのも大変そうです。しかし、ユッキーナはコメントをしっかりチェックしていました。  ファンのひとりが「おいしそ~やけど皿に緑と赤が足りないね!」とコメント。それを発見して激怒したのか、ファンのアカウント名とコメントをスクリーンショットにとって、「ごはんのせたらダメ出しきた…赤と緑たりなくてごめんなさいww 爆笑!」とコメントをつけて、インスタグラム上に公開したのです。  タレントがファンの個人情報に準ずる情報を公開するという、なかなかショッキングな行動に及んだわけですが、さらにユッキーナはそのファンのページに「皿に緑と赤がたりなくてごめんね」とコメントを書き込んだのです。さすがにマズかったと自覚したのか、はたまた周囲の人間が注意したのか、ユッキーナは後日ファンに謝罪。スクリーンショットも削除されました。この行為は、「正直でいい」と擁護する人と、アンチと、両方から注目を集めることになりました。

キレる→ニュースになる→存在感上昇

 14日にアップされたワンプレートのカフェ風ごはんの写真にも、コメントが572件(2014年1月22日現在)寄せられています。大きめな木の皿にミックス野菜やきゅうり、パプリカなどを炒めたもの、豆腐ハンバーグ、ごはんが点々とあまりバランスを考えずに配置されているのが印象的でした。  客観的に見て「つっこまれやすい写真」であるだけでなく、説明文には「きょうは赤と緑をいれてみましたぁ アドバイスを参考に」と皮肉っぽく書かれ、アンチの心を刺激することは間違いない要素が盛りだくさんの1枚。  ファンからのコメントには「美味しそう」などと褒めているものが多いですが、案の定「犬に食べさせるようなごはんではないか」「改善してこのできですか?」「お箸は揃えて箸置きを使ったほうがいい」「子どもは気づいたときには親の真似をしているもの」といった批判も。自分がユッキーナだったら、これは見たくない……。  さらには、「英語で中傷コメントがついた」なんてことをいちいちネットニュースが取り上げ、応援するファンとアンチとが入り乱れて、ますます注目度が上がっているわけです。  しかし、この問題にはデメリットとメリットの両方があると考える必要があります。批判的なコメントに逆上すると、ネットニュースの格好のネタになり、ママタレとしてのイメージが低下するのがデメリット。一方で、ポスト争いが厳しいママタレとして存在感を増すというメリットも否定できないのです。

炎上はママタレとして生き残る策なのか

 アンチが多いママタレとして不動の座を築いた辻ちゃんや紗栄子さんは、ネット炎上女王といっても過言ではありません。炎上慣れしているというより、不定期に(これも計算済み)炎上ネタを投下して、メディアに露出する――これを狙っているとしたら、むしろ正しい戦略をとっているといえるでしょう。  昨年、写真週刊誌『FLASH』が芸能人のブログ収入予想(月収)をランキングし、話題を集めていました。1位は辻ちゃんの500万、2位はビッグマミィこと美奈子さんの300万、3位は桃さんの277万、4位はユッキーナの185万、5位は辺見えみりさんの184万……など、芸能人ブログではケタ違いの収入が得られることがわかります。  これらの収入は、バナー広告のクリック数に応じて支払われるアフィリエイト広告、アクセス数に応じて「1000ページビュー=30円」が支払われるPV収入、商品PR記事として「5~300万円/1記事」が支払われる記事マッチ広告で成り立っています。この中で最もうまみがあるのは単価が大きい記事マッチ広告でしょう。  たまに炎上しようがどうしようが、大量のPVを獲得するブログには記事マッチ広告の話が持ち込まれます。PVを稼ぐブログでは1記事の単価もそれ相応のものになるでしょう。良くも悪くもネット上で注目されるママタレはブログ月収が上がるという仕組みが存在しているのです。  その証拠に1~5位のうち、桃さんを除く4名が炎上ママタレとしてお馴染みのメンツです。女性タレントが結婚すると大抵、妊娠→出産→ママタレとしての道を歩むため、とにかくポスト競争が激しいことは明らか。  過酷な戦いの中で生き延びるためには、兎にも角にも目立つことが先決。料理本がバカ売れし、好感度が高いママタレの地位を確立したゆうこりんには、誰もがなれるわけではありません。簡単にニュース化され、ママタレとしての存在感を示す作戦としては、プチ炎上を繰り返すくらいがちょうどいい。そう考える戦略的なママタレも少なくないのでしょう。  実際、ユッキーナにしても、有名企業のCMに起用されたり、プロデュースするファションブランド「Avan Lily」が直営店だけでも全国13店舗に上るなど、リアル社会ではしっかりサバイブしている模様。  本人が意識しているかはともかく、結果的に「炎上」は賢いサバイバル戦略なのかもしれません。  <TEXT/池田園子>
池田園子
86世代のライター。楽天→ITベンチャー→フリーに。恋愛、Web、アプリ、ガジェット、美容ネタなどを書く
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