
卒業シーズンを経て、四月からの新生活に胸を踊らせる若者を見ていると微笑ましい気持ちになる読者も多いことだろう。
翻って我が身はといえば……。転職や異動などの機会がない限り、生活のサイクルも仕事内容も年々マンネリ化してしまっている人も多いのではないだろうか。そろそろ卒業しないといけないと思っている生活習慣や悪癖、人間関係なども環境が変わらない限りなかなか卒業できないのもつらいところだ。
そこで女子SPA!読者世代でもあるアラサー独女たちに、卒業したいけどなかなか卒業できない悪癖について語ってもらった。
◆浪費
「自分へのご褒美のインフレ化が止まらないんです。20代のころは『自分へのご褒美』というフレーズ自体気持ち悪くて、バカじゃないの?って思ってたんですけど……。
30を過ぎたころにボーナスで自分で自分にミキモトのパールのピアス(3万円)を買ったのが運の尽き。自分へのご褒美って、気持ちいいんですよねぇ……。
以来、アマダナのウォーターサーバー(4万円)、ゴヤールの限定色トートバッグ(11万円)、ドバイ旅行(50万円)、全身永久脱毛(80万円)など、大して稼ぎがあるわけでもないのに、ボーナスごとにご褒美がないとダメになってしまって……。
ボーナスが50万円なのに80万円で永久脱毛て……アホだと思いつつもやめられないのが情けないです」(32歳・広告)
◆妄想恋愛
「婚約まで進んだ彼氏と破局してから、3次元での恋愛に虚しさを感じてしまって……。幸い女ひとり分の食い扶持くらいは稼げる仕事をしているので、生活のために結婚しなきゃという気持ちはなくて。
偶然友達に誘われ宝塚の公演に行ってから運命が変わってしまいました。どうせ結婚するつもりがないんだったら、無理して『条件はいいけど一緒にいてもつまらない男』と一緒にいるより、めいっぱいときめきを与えてくれる宝塚のほうがよっぽどいいじゃん! と思ってしまうんです。
でも、一生宝塚にすがって生きていくわけにもいかないので、そろそろ考え直さないと、とは思うんですけど……」(36歳・金融)
◆不倫
「結婚しなきゃとか、何歳までに子供産まないととか、そういう悩みを全部一時停止させてくれるんですよね、不倫って。
『不倫なんだから結婚できないのは仕方ない。私のせいじゃない』『それよりも、今週会えるの?/会えないの?』って、思考が二択になってすごくシンプルになるんですよ(笑)。
『飲めるの?/飲めないの?』って、アル中患者と一緒ですよね。思考を麻痺させることで生きやすくなるというか。今後の人生をより生きづらくしているだけなのはわかってるんですけどね。
独身同士だったら付き合えないようなスペックの相手と、不倫だと付き合えたりするから、なかなか抜け出せないんです」(29歳・アパレル)
いずれも、悪癖だと自覚したうえで抜け出せないとあっては根が深いが、卒業-入学の心機一転の時期をきっかけに、負のスパイラルから抜け出してくれることを願うばかりだ。
<TEXT/マッキーナ>