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田中みな実の“ミカン眼帯”、水野美紀の怪演…ドラマ「M」のダサさに釘づけ

三浦翔平、高嶋政伸、新納慎也が演じるキャラがチープでいい

 登場人物たちがいちいちチープな香りを漂(ただよ)わせているのも、大映ドラマ臭。 「マックスマサ」(というあだ名もまた、最高にダサい)を演じる三浦翔平が、イケメン俳優枠から振り切った面白役者に転身することで、仕事の幅を大きく広げたのも『奪い愛、冬』からでした。今では彼が出ているだけでイイ感じのチープさが生まれます。  また、様々な作品において恐怖と笑いを併せ持つ怪人変人枠をなぜか兄弟間で奪い合っている、高嶋政伸の存在も良いスパイス(兄のほうはいま、「映像研には手を出すな」で、やる気なく遊び好きのヒゲもじゃ顧問を演じています)。  さらに、度肝を抜く強烈ビジュアルのプロデューサー・輝楽天明(新納慎也)。  小室哲哉をオマージュしていると思われる役で、あまりに変な服と変なメイクなので、怒られるんじゃないかと心配になるほどですが、昔の画像をいろいろ調べてみると、昔の小室哲哉、思っていたより遠からず、という感じでした。

水野美紀は最強のコメディエンヌ

  水野美紀「M 愛すべき人がいて」(C)テレビ朝日/AbemaTV,Inc.

「M 愛すべき人がいて」(C)テレビ朝日/AbemaTV,Inc.

 第2話にスパルタ鬼講師・天馬まゆみ役で登場する水野美紀が、すでに話題になっていますね。  ともすれば薄幸系美女で、これまでも美人役が多かった水野美紀が一皮むけたのは、バカリズム脚本の『黒い十人の女』(読売テレビ・日本テレビ系列)から。  愛人仲間にカフェラテやあんかけ麺をぶっかけられまくるお約束の場面を、楽しそうにイキイキと体当たりで演じていたことで、注目度・好感度ともに上昇しましたよね。  そこから『勇者ヨシヒコと導かれし七人』(テレビ東京系列)の魔女を演じ、さらにたたみかけるように、『奪い愛、冬』(テレビ朝日系列)でヒール役を怪演。  神出鬼没な登場や感情の爆発のさせ方で、恐怖と笑いをたっぷり与えてくれました。
 朝ドラ『スカーレット』(NHK)では、私生活はがさつながらも、仕事に対する情熱と強い信念を持つ「ちや子」を、ときに笑いをとりつつ、魅力的に演じていたのが記憶に新しいですよね。
 さらに現在、『浦安鉄筋家族』(テレビ東京)では、佐藤二朗さん演じる主人公の妻であり大沢木家のお母さんとして、持ち前の身体能力の高さを生かし、毎週、家族などを相手に、跳び蹴りやバックドロップ、キャメルクラッチなどの技を炸裂させています。第二話ではさりげなく『キン肉マン』に登場する必殺技「パロスペシャル」までかけていました。  体をはれて、顔芸もできて、アクションも得意なコメディエンヌ。最強ではないでしょうか。 『奪い愛、冬』とその続編『夏』に続き、三浦翔平さんとの息の合った面白演技合戦にも注目したいです。 <文/田幸和歌子> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
田幸和歌子
ライター。特にドラマに詳しく、著書に『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』『Hey!Say!JUMP 9つのトビラが開くとき』など。Twitter:@takowakatendon
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