部屋を片付けられない人には、完璧主義の人が多いのだそう。自分で汚部屋だと感じている人は、完璧な部屋を目指さず、まずは生活をする上で困りごとが少なく、捜し物が減るような暮らしになることを目標にするといいと西原さんは言います。
「片付けに正解はありません。
まずは衛生的な空間になればそれでいい。モデルハウスのような部屋ではなく、まずはちょっとでも便利で楽な暮らしが出来る部屋を目指してみるのがいいのではないでしょうか」
また、部屋を一気に全部片付けようと全てをひっくり返すのも、「片付けが得意ではない人」にはあまりおすすめしないのだそう。最初は引き出し1つから……などの方がハードルも低くなって、片付けしやすいのだとか。スモールステップで片づけに取り組むことが成功のカギ。
福祉施設の障がい者用トイレ 経営者の方が片づけが苦手で施設内の障がい者用トイレがモノで溢れ使えなくなっている
作業後(3時間の作業)
また、食器の片付けが苦手なら、食洗機を導入したり、布団を干し忘れるなら布団乾燥機を導入したりするなど、頼れるモノには頼ってしまうことも大切と言います。自分でどうしようも出来ない人は、家事代行など人に頼るのも全然あり。
「今まで500件以上のお宅に伺いましたが、本当に困っている人もサポートする人がいることで片付けができます。専門家じゃなくても、理解あるご家族やお友達に寄り添ってもらうことで、片付けられるようになることもあります」
片付けができないからと自分を責めなくてもいいとのこと。まずは衛生的で困らない暮らしができるところまで部屋を片付けることを目標に、自粛期間を使って部屋の片付けにチャレンジ。おこもり生活が、ちょっと快適になるかもしれませんよ。
【西原三葉さんプロフィール】
西原三葉さん
整理収納アドバイザー1級、産業カウンセラー、栄養士、ライフオーガナイザー1級資格保有。著書に『
「片づけられない…」をあきらめない!―「ADHD」の整理収納アドバイザーが自分の体験をふまえて教える!』(主婦と生活社刊)がある。
カウンセリングルームAUBE代表
<取材・文/ミノシマタカコ>