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ペットショップで出会った「耳が聞こえない猫」ココちゃん、病との闘い

MRIで分かった愛猫の「奇形」

 しかし、おだやかな日々は昨年の春頃に一転。後ろ足に異変が見られ、ココちゃんは歩けなくなってしまいました。すぐに病院で検査をしてもらいましたが、脳や神経をMRIで調べなければ原因が分からないという結論に。麻酔のリスクを避けたいと思っていましたが、日に日に歩けなくなっていく姿に限界を感じ、かかりつけの獣医さんの紹介で神経外科専門の病院でMRIをしてもらうことに。  すると、先天的な骨の奇形によって脊髄が損傷しているため歩けなくなったことが判明。脳に異常はありませんでしたが、奇形の場所が多すぎて治療ができないと言われました。 「あと、耳は小さい頃にかかったであろう中耳炎が酷くて鼓膜が機能しなくなったことも分かりました」  また、この結果を知るための代償は大きく、恐れていた麻酔のリスクが現実のものとなりました。予定時間を2時間超えても目覚めなかったココちゃんは心臓の筋肉が炎症を起こし、肺炎にもなってしまったため、3人がかりで夜通し心肺蘇生を行い、命をつなぐことができたといいます。

適切ではない繁殖でハンデを背負わされる猫も

 一般的な猫とは違う外見的特徴が“ウリ”になる猫種は、適切ではない繁殖によって本来なら持たなくていいはずのハンデを背負わされることもあります。  そうして生まれてきた子は「奇形だから……」と敬遠されやすいものですが、その命にはなんの罪もありません。そんな悲しい思いをする動物を増やさないためにも、人間の「かわいい」に翻弄される命がいる事実を私たちはもっとよく考え、小さな命を愛していく必要があるのではないでしょうか。 「もしかしたらココも無理な繁殖でハンデを持って生まれてきたのかもしれません。でも、ココにはそんなことどうでもよくて『聴力はママのお腹に置いてきちゃった』『歩けなくなったけど腕の筋肉がついたからまだ動けるよ』と言ってくれていそうです」  かざみどりさんのこの言葉からは、どんな体でも前向きに生きようとする猫のたくましさが感じられ、胸が熱くなりました。 「いろいろありましたが、猫たちにはたくさんの幸せをもらっている。だから、“飼っている”ではなく、“一緒に暮らしている”と言いたい」  愛猫たちへ惜しみない愛情を注ぐかざみどりさんは、今日も3つの命を優しい眼差しで見つめています。 <文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
古川諭香
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291
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