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孤独死は、死ぬ予定があるひと全員が関係ある話/カレー沢薫・自作解説

35歳女性が婚活よりも、ひとりで死ぬ「終活」へとシフト

 人間死ぬときは1人だし、独居で死んだからと言って「孤独死」などと言って悪い物のように言うのは冒涜(ぼうとく)だし、中にはもう孤独死上等掃除する人マジサーセンという境地の人もいるかもしれない。  確かに1人で死ぬことは悪くないが、死後長期気づかれず、溶解人間として発見されれば、家族や家主、周辺住民に物理的迷惑をかけるとし、誰も後処理を引き受けなかったら行政が関わることになり税金が使われるのだから、誰にでも関係がある社会問題である。  すでに迷惑上等な方も、孤独死というのはある日いきなり倒れて即死というものではない。  ゴミだらけの部屋で、誰とも関わらず、肉体的にも精神的にも長く苦しんだ末に孤独死というケースも少なくないのだ。  孤独死は良くてもこの「死ぬまで年単位で苦しむかもしれない」が良いと思えるかはまた別の話だろう。 「ひとりでしにたい」は35歳独身女「山口鳴海」が自身の伯母が「風呂場で孤独死しスープ状になって発見される」というメディアが良く報道するよう「悲惨な孤独死」を遂げたことから、自分は同じ轍は踏みたくないと行動を起こすところからはじまる。
(画像:カレー沢薫・著 ドネリー美咲・協力「ひとりでしにたい 1」 モーニングコミックス 講談社 より)

(画像:カレー沢薫・著 ドネリー美咲・協力「ひとりでしにたい 1」 モーニングコミックス 講談社 より)

 そこでまず始めたのが「婚活」である。  孤独死は独居で起こる、つまり家族さえいれば回避できる、という発想である。  しかしそれは職場の若いエリート「那須田」という男に「結婚すれば老後安泰とかw」と盛大に草を生やされ論破。
(画像:カレー沢薫・著 ドネリー美咲・協力「ひとりでしにたい 1」 モーニングコミックス 講談社 より)

(画像:カレー沢薫・著 ドネリー美咲・協力「ひとりでしにたい 1」 モーニングコミックス 講談社 より)

 言うとことは正しいが、あまりにもナメ腐った態度に怒った主人公は、婚活よりもひとりで生きて(否、愛猫「魯山人」と)ひとりで死ぬ、「終活」へとシフトしていくのだった、というのが大まかな冒頭である。

孤独死は、死ぬ予定がある人全員関係ある話

 一応主人公は独身女だが「結婚すれば老後安泰とか」という煽りの通り、結婚してもパートナーが先に死んだり子どもが出ていき疎遠だったりしたら同じことは起こる。  実際孤独死するのは、家族がいない天涯孤独な人ではだけなく「家族がいても孤独な人」もするし、正直孤独じゃなくてもするかもしれないのだ。  つまり「全員する可能性がある」ということである。  孤独死を死ぬ予定がある人全員関係ある話として、読者全員がちょっとでも考えたり準備する気が起こるように、様々なタイプのキャラにスポットを当てて描いていきたい。  そう思っていたが、次巻で終わるかもしれないので、主人公のこともろくに描き切れないと思う。  そんなことは言いたくないし、そうならないように今頑張っているが、いくら「終わる気はねえ」と、伏線を張り続けても、強制的にわけのわからないところで終わるだけなので、超高速風呂敷畳を考えなければいけないのも確かなのだ。
(画像:カレー沢薫・著 ドネリー美咲・協力「ひとりでしにたい 1」 モーニングコミックス 講談社 より)

(画像:カレー沢薫・著 ドネリー美咲・協力「ひとりでしにたい 1」 モーニングコミックス 講談社 より)

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「結局男と恋愛、結婚して解決かよ」と怒られた件について
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