具体例に、私の性格で紹介します。
私は昔から、「他人の目を気にしすぎる心配性」な性格が強くあります。人の機嫌を損ねそうだなと感じると、相手に本音を言えず、自分のことを後回しにしてしまうのです。
長く弱虫で短所だと感じていましたが、これは見方を変えると「相手を尊重する優しさ」「場を調整したり相手に共感する力」が高いことが言えます。うーん、言葉で聞くと、自分自身が凄く優しい存在に感じられて、照れてしまいます。

「きっと『自分を後回しにしているのが嫌』という感覚が強くあるから、短所としてしか見ることが出来ないのでしょう。ここをほぐす事ができれば、自分が元々持つ豊かさを、たくさん受け取ることができるかもしれません」(秀海さん)
皆さんもチャレンジしてみてはいかがでしょう。
少し前ですが、2013年に『アナと雪の女王』の大ヒットにより「ありのまま」というメッセージが多くの女性の心を動かしました。あの時、私個人は、なぜこんなにも社会現象になるのか少し首をかしげた記憶があります。でもあれは、抑圧された女性のエネルギーが一気に開放されたからこそ起きたことだと、安東さんは話します。
「女性は時代の中で、長く『男性に合わせたり、男性を立てたりするべき』という偏った価値観の中で暮らしてきました。でも今は、本質的に男女平等を模索している時代。それはつまり、どんな役割を担ってもいいし、どっちが偉いということもないという時代になってきている、ということだと思います。
『助けを待つ』だけでなく、『自分で運命を切り拓く』。信頼して任せてもいいし、自分の力で前に進んでもいい。誰かの価値観や社会通念に合わせるのではなく、自分の軸で生きていきたい。そんな風に多くの女性が心の深いところで感じていたからこそ、『アナ雪』は大ヒットしたのだと思います」(秀海さん)
受け取ること。知れば知るほど、心の深い部分に関係していて驚くばかりですが、みなさんは自分の良さも悪さも、そして今ある豊かさも、フラットに受け取れているでしょうか。
【取材協力】
Life Design Labo/安東秀海・安東美紀子
業界最大手のカウンセリング事務所にてカウンセラー&講師として活動後、2015年に独立。結婚生活に悩む夫婦のためのカウンセリング&コーチングを行う。機能不全を生んでいる夫婦間のコミュニケーションパターン、価値観の違い、感情的なもつれを特定し、関係性修復に導くアプローチを得意とする。東京渋谷のカウンセリングルームには危機に直面した多くの夫婦が訪れている。
<取材・文・イラスト/おおしまりえ>
おおしまりえ
コラムニスト・恋愛ジャーナリスト・キャリアコンサルタント。「働き方と愛し方を知る者は豊かな人生を送ることができる」をモットーに、女性の働き方と幸せな恋愛を主なテーマに発信を行う。2024年からオンラインの恋愛コーチングサービスも展開中。X:
@utena0518