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リアルな猫ちゃんはなんと鉛筆画。作者が語る、亡くなった愛猫への想い

“そこにいる”ように思える鉛筆画を

 愛猫を描き続けているうちに、自分で撮った猫たちもモデルにするようになったという西方由美さん。  魅力的な鉛筆画の製作期間は、もちろん作品にもよりますが、A4やB4のものだと約1か月ほどで完成させられるのだとか。 「それより小さいものだと、2~3週間くらい。過去にB3サイズに挑戦した時は130時間ほどかかりました」  描く時はいつも、“そこにいる”ように表現することを意識。 「一番表現が難しいのは、ふわふわとした被毛。猫さんはほぼ毛なので毎回頑張っています」  デフォルメせず、ありのままの姿を描くという表現法。その裏には、亡き愛猫への強い想いも関係しているように思えます。

愛猫の老いも、楽しんで

 大好きなあの子が、ここにいる――。そう感じられる作品の数々は、かけがえのない命を失った飼い主さんの心を癒すお手伝いもしているのかもしれません。  老いという変化も含め、猫を愛しぬいた西方由美さん。そんな経験をしてきたからこそ、その口から出る言葉は心に刺さります。 「近ごろは猫の長寿化が進んでいるので、粗相など大変な経験をすることもあるかと思います。でも、若い頃とは違う、まるで赤ちゃんのような愛らしい一面を見ることもできるのがシニア期。ぜひ、愛猫の老いも楽しみにしていただきたいです」  ペットの老いにはネガティブな視線が向けられやすく、飼い主さんも不安な気持ちになってしまうもの。しかし、一緒に老いていけること、老いを見届けられることはもしかしたら、この上ない幸せなのかもしれません。  猫と共に生き抜いていく――。繊細なタッチの鉛筆画は、その意味を私たちに問いかけてもいます。 <文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
古川諭香
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291
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