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既婚者の彼の「別居期間」に交際し結婚。が、不倫男は同じことを繰り返す

私の国際離婚日記 vol.6】  単身渡米し、アメリカ人の夫と約10年の結婚生活ののち、昨年離婚した左近サクラさんの体験談です。(以下、左近さんの寄稿) 
別居のきっかけ

写真はイメージです(以下同じ)

 どこの国に住んでいる、どの国籍の人でも、離婚を考えたらまず最初に起こすアクションは「別居生活」、英語でいう「Separation(セパレーション)」ではないでしょうか? 離婚裁判が驚くほど長引くアメリカでは、離婚が正式に成立する前段階でも法的に別居状態であることを証明する「リーガルセパレーション」なる制度が存在します。  実は私の元夫も、出会った当初は前妻との別居期間中、いわゆる「セパレーション」状態でした。

リーガルセパレーションて何?

 当時、私は日本から来た貧乏留学生の独身女性。一方、彼の方は、誘えば深夜まで飲みに付き合ってくれる上、指輪もしておらず、もちろんお泊りは日常茶飯事。その言動からして、私は彼のことを“優雅な独身中年男”だと思い込んでいました。  ところが、いざ交際を始めてみると、彼は「リーガルセパレーション中」だというのです。  聞けば、アメリカでは、離婚を考えている夫婦が前もって別居を申請しておくことで、「その結婚生活が破綻していることを公的に証明することができる」とか。  本来の理由は、別居中の財産分与や子どもの養育費の問題をクリアにしておくことなのでしょうが、それとは別に「この期間に新しい恋愛をスタートさせても法的にはなんの問題もなく、これは不倫ではないという安心感もあたえてくれる制度」だ、というのが彼の説明でした。 離婚 厳密にいえば別居期間中でも恋愛はグレーゾーンではあるのですが、アメリカのほとんどの州で、既婚者と交際しても慰謝料を請求される危険がないため、事実婚ならぬ“事実離婚”に等しいリーガルセパレーション期間に、次の恋愛を始めてしまう人も多いのです。  まだ渡米して間もなかった私は、「さすが合理主義の国。興味深い法律があるのだな」と関心こそしたものの、その発言を疑うことなど微塵も考えず交際をスタート。  その後2年半、順調に交際を続け、その間に彼の離婚も成立。私がアメリカで大学を卒業した年に結婚しました。

離婚証明書に記載されていた衝撃の事実!?

 ところが、後に、この元夫の「リーガルセパレーション中」という発言は嘘だったことが発覚します。これは、私が離婚を決意してから分かったことです。  アメリカでは裁判をするか否かに関わらず、離婚申請の際には夫婦不和の理由や、お互いの財産分与の方法などが細かく記載された「ディボース サティフィケート(離婚証明書)」の発行が必要になります。  この書類は「マリッジサティフィケート(結婚証明書)」の発行時や、私のグリーンカード(永住権)の申請時にも必要な書類だったのですが、当時まだ幸せで浮かれ気味だった私は、彼の過去など全く興味がなく、きちんと目を通していませんでした。 離婚 しかし、今度は自分が離婚をする番です。「過去なんか知りたくない!」などとナイーブなことを言ってもおられず、前妻との「ディボースサティフィケート」を離婚参考書代わりに熟読しました。  すると、その中にはしっかりと「リーガルセパレーションを申請したか?」という項目があり、「NO」にチェックマークが付けられていました。  そう、私は彼の口車にまんまと乗せられ、10年以上も「あれは不倫ではなかった」と信じ込まされていたのです。
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もしかしたら前のときも……?不倫男は繰り返す
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