思い起こせば、私と交際を始めてから公開したはずの大ヒット映画の話になったときに、前妻と一緒に行ったエピソードを聞かされたことや、会話を交わす中で交際当初の時系列の食い違いを感じたことは何度となくありました……。
つまり私と付き合い始めた後も、彼は前妻とは別居はしていなかったということ。もしかしたら離婚の話さえ出ていなかったのかもしれません。
そう思うに至ったのは、私たち二人の間でも元夫から「離婚」という言葉が出ることは一度もなく、愛想を尽かした私が「離婚」を切り出したのは、彼の不倫発覚から2年以上経ってからのことだったからです。

不倫を私が知った後の期間も、彼が家にいるとき(浮気相手の女性のところへ家出していないとき)は、一緒に旅行に行ったり、映画を観に行ったり、友人のパーティーに参加したりと、“普通の夫婦みたいな生活”を送っていました。
これはただの憶測でしかありませんが、やはり考えずにはいられないのです。前妻にも彼は同じことをしていたのかもしれない、そしてまた、次の相手とも同じことを繰り返すかもしれない、と。
離婚をするつもりなんてさらさらないのに、妻や夫との不仲を装って不倫をする人は五万といると聞きます。
私のように苦い思いをしないためにも、どこの国に住んでいる、どの国籍の人であっても、正式に離婚が成立していない人とは交際を始めないことをおススメします。自分が仕出かしたことは、やがてブーメランのようになって自分に返ってくるものですから。
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私の国際離婚日記―
<文/左近サクラ>