三浦春馬さん、取材現場では「ふと無邪気な顔も」「適当な答え方をしない」
7月18日に急逝した俳優・三浦春馬さんの死の衝撃が広がっています。
演劇・ドラマなどエンタメに詳しいライターの木俣冬さんは、三浦春馬さんへの取材した経験を踏まえ次のように述べました。
「高身長で手足が長く、抜群の運動神経でスピーディなアクションもできて、映像でも舞台でも圧倒的に華がある。スター性抜群だった三浦春馬さん。
子役出身で芸歴が長い俳優はなんでもスマートにそつなくこなせる方が多く、三浦さんももちろん器用で巧いのですが、なんにでも常に新鮮に好奇心に目を輝かせながら芝居に体当たりしていく印象がありました。最近はミュージカルでも活躍していて、ドラァグクイーンを演じた『キンキーブーツ』は代表作になりました。
そういう派手な作品もいいけれど私が最も印象深いのは、2014年に三浦さんが企画したテレビドラマ『僕のいた時間』(フジテレビ)。ALS(筋萎縮性側索硬化症)でふだんどおりの生活がじょじょにできなくなっていく主人公のカラダと心の変化を丁寧に演じていたことが印象的でした。
キャリアも実力もありながら、取材時に、ふっと無邪気な表情を覗かせるところも魅力的で、誰からも愛される俳優だったと感じます。これから日本の芸能界を引っ張っていく俳優だったと思うので本当に残念でなりません」
『僕のいた時間』は、三浦さんが中野利幸プロデューサーに「命を題材にしたドラマをやりたい」と提案したことがきっかけで実現。このドラマに出演していた斎藤工は、三浦さんの訃報を受け、同ドラマのタイトルバックの画像を自身のインスタグラムに掲載し、無言の追悼をしました。
くしくも、訃報が流れた18日夜には三浦さんの出演映画『コンフィデンスマンJP ロマンス編』がフジテレビで放映に。冒頭で追悼テロップが流されSNSには追悼の声があふれました。エンタメに詳しいライターの林らいみさんも衝撃を語ります。
「信じられないという気持ちでいっぱいです。三浦春馬さんは本当に俳優としてアーティストとして才能にあふれた方。訃報に接した日、テレビで放送された出演映画を観て改めて強くそう思いました。
この映画では色男から一転してダサく情けない男を好演していて、映画の中ではMVPだったと思います。映画界においても惜しい人を亡くしてしまったと痛感しました。
これからさらに歳を重ねてパフォーマンスに磨きがかかっていく姿を観ることができたはずなのに。でももうそれは叶わないのだとひたひたと感じています。彼がこの世に絶望したとしたら、それはいかばかりのものだったのか、思いを致してもどうしようもなく、ただ生きて欲しかったです」
『コンフィデンスマンJP ロマンス編』で共演した俳優の小手伸也は、18日、自身のTwitterにて
「ドッキリであってくれ、不謹慎だと怒らせてくれ、LINEしたら返事くれ、サプライズでゲストに来てくれ、普通に笑って映画見せてくれ、何か出来ること無かったかとか思わせないでくれ、またみんなと僕を弄って、それでも優しい仲間でいて、こんな形でいなくならないでくれよ」
と思いを綴りました。
同日午後0時半ごろ、東京都港区の自宅を訪れたマネジャーが異変に気付き、搬送先の病院で死亡が確認されました。室内の手帳には遺書とみられる内容のメモがあったと報じられています。30歳でした。
ふっと無邪気な表情を覗かせるところも
訃報の夜に出演映画放送、広がる悲しみの声
1
2