「市販の鍋つゆは使うな」“料理警察”はポテサラおじさんだけじゃない
スーパーの惣菜コーナーで子連れの女性がポテトサラダを買おうとしたら、突然見知らぬ高齢男性から「母親ならポテトサラダくらい作ったらどうだ」と言われた場面に遭遇した……。
Twitterへのそんな投稿をきっかけに、SNSではこの高齢男性の発言に多くの批判が集まっただけでなく「ポテトサラダを手作りするのがいかに大変か」という論争にまで発展。
しかし、料理にいちゃもんをつけてくる“料理警察”に、お惣菜売り場どころか、配偶者や恋人などもっと身近なところで遭遇したという声も多く聞こえてきます。
「そこまで求めるなら自分で作ればいいのに」と苦笑するのは、茜さん(28歳・仮名)。茜さんは一回り年上の男性と都内で同棲中で、食事に関してとても困っていることがあるといいます。
「彼は調理場でのアルバイト経験があるからか、私の料理に口を挟んでくるんです。なかでも厄介なのは、出汁にうるさいところ。彼の好物だという鶏肉の水炊き鍋を、スーパーで買った市販の鍋つゆで作ったら、怒られたんです」
味が好みじゃなかったのかも知れない、と申し訳なく思った茜さん。ですが、市販のつゆがダメな理由を彼に聞いたら、その返答に、閉口してしまったとか。
「自分が作るときは、1日かけて鶏がらを煮出すところからちゃんとやっていた、って言うんです。鍋は具材を切って入れるだけなのだから、出汁くらいは市販に頼らないで、しっかりと作って欲しかったって。
そうでなくても料理に口出ししてくることが多いのに、私だって忙しいですから、手を抜きたい日に助かる献立のときくらい大目に見て欲しいですよね。また、自分に馴染みのない、作ったことのない料理を出されると大抵嫌がる彼。そのくせ、彼が自分で料理をすることはありません。今晩も夕飯作っておいてって感じで、基本的に丸投げです」
「ここは料亭ではございません」と思わず返したくなるような要求は、ムダにお金もかかるようで……。同じく彼氏と一緒に暮らすユリさん(32歳女性・仮名)も、彼の料理警察ぶりに困っています。
「作ったものを褒めてくれることは、まずありません。肉じゃがの肉が硬いとか、米をもっと柔らかく炊くようにとか、魚の調理の仕方が甘いとか、決まって完食するくせに大体クレームを付けてきます。
細かいケチなら、まだ何とかできるんですけど、困るのは食材にまで文句を言ってくることです。いちばんヒドかったのは以前、煮魚を作ったとき。食卓に置いた皿の中身を一瞥するやいなや、『タラはひもじい気持ちになるから嫌』『煮物ならブリとかヒラメ、カジキじゃないとな』って言ったんですよ……」
なるべく食べる人の希望に沿うよう努める、というユリさんですが、毎月の食費がかさんで困っているそう。
「肉の硬さとか魚の種類とか、彼の求めに応じようと思うと、食材選びからワンランク高い質を求めなくてはいけなくなります。私は料理のプロじゃないし、限界があるのでね。わが家の食費は跳ね上がるいっぽうです」
市販の「鍋つゆ」は禁止
「タラはひもじいからNG」跳ね上がる食費にため息

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