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『半沢直樹』悪役たちの顔芸とセリフに爆笑。濃すぎた1話を振り返る

 堺雅人(46)演じる主人公の半沢直樹が、銀行マンとして巨大な組織に立ち向かうさまを描いた、ドラマ『半沢直樹』(TBS系、毎週日曜夜9時~)。長らく放送延期になっていましたが、待望の初回が7月19日に放送され、今夜(7月26日)はいよいよ第2話。
 職業ものながらも、悪者をやっつけるというヒーローものでもあり、同期や仲間との友情もあり、一つのジャンルにしばられないのが『半沢直樹』の面白いところです。豪華出演陣の濃厚な演技に引き込まれつつも、時にはSNSで楽しくツッコミながら視聴するなど、楽しみ方も多岐にわたっています。もはやドラマとして“半沢直樹”という新ジャンルを確立したのではないでしょうか。  それでは、第1話を振り返りながら今夜に備えるとしましょう。

出向先の子会社でも裏切り&敵だらけの半沢

 東京中央銀行で働いていた半沢は、前作で父の仇でもある大和田常務(香川照之)の不正を暴いたことが原因で、子会社である証券会社「東京セントラル証券」に出向しています。  ある日、顧客である大手IT企業の「電脳雑伎集団」が、瀬名社長(尾上松也)率いる新進気鋭のIT企業「東京スパイラル」を買収したいと申し出ます。株式取得に掛かる費用は1500億円以上。セントラル証券にとっては異例の大口案件とあり、社内は色めき立ちます。  しかし、東京セントラル証券・営業企画部次長の諸田(池田成志)は東京中央銀行・証券営業部長の伊佐山(市川猿之助)にこれを密告。なんと伊佐山はこの大口案件を横取りしてしまうのでした。  伊佐山は、大和田が失脚したことで自分の出世の道も絶たれてしまったと半沢を恨んでおり、今回の大口案件を横取りして、案件を逃した責任を半沢に取らせようと画策します。そして、これを機に伊佐山率いる親会社と半沢率いる子会社の熾烈(しれつ)な争いが始まります。  ドラマの序盤で個性豊かな登場人物が出揃い、各人物の思惑と目的、対立構造を見事にあらわしています。ここまででもう、さすがの一言。

役者たちの顔芸で、超ハイカロリーな画面に

 第1話を見終えてまず思ったのが「画面の総カロリーがものすごく高い」ということです。  特に、俳優で歌舞伎役者の香川照之と、その従兄弟で歌舞伎俳優の市川猿之助の顔・動き・台詞回し全てが非常に濃く、ここに堺雅人や新キャラの東京中央銀行・副頭取の三笠(古田新太)が並んだ時の絵面は、超ハイカロリー。しかし、その熱量こそが『半沢直樹』の見どころ。最初から最後まで、ここまで画面から目を離せないドラマも滅多にありません。
 銀行と証券会社という一見地味で複雑そうな設定の中、話を極めてシンプルにまとめた脚本にもさすがの一言。対立構造の煽(あお)り方は抜群で、これだけたくさんのサラリーマン、しかも同じようなスーツ姿の中年男性ばかりが出てくるのにも関わらず、「あの人は誰?」と困惑する場面は一切なく、どのシーンを切り取っても、登場人物の目的・敵対関係が整理されています。
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「倍返し」ならぬ「恩返し」シーンにニヤニヤ
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