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猫にとって、ずっと家にいる飼い主はストレスの元凶だった!? 

愛猫がストレスで病気に? 注意すべき症状とは

 さらに注意が必要なのは、小さな子ども(人間)がいる家庭です。 「子どもたちが家にいる時間が増えると、ペットの生活リズムお構いなしに遊び倒してしまう可能性もあります。基本的に猫ちゃんは“薄明薄暮性”といって、主に薄明(明け方)と薄暮(夕暮れどき)の時間帯に活発に行動する動物です。普段おうちの人が仕事や学校に行っている昼間は、ずっとお昼寝している子も多い。そんな時間帯に構いすぎてしまうと、一気に猫ちゃんのペースが崩れてしまうかもしれないのです。  ほかにも、ウサギやフェレット、モルモットやハムスターなども同じく薄明薄暮性の動物と言われています。実際に僕の獣医仲間の間では、飼い主さんのおうち時間が増えた時期から、ストレスが影響している恐れのある猫ちゃんたちの来院が増えたと聞いています」 cat2 猫にとって大敵のストレス。ときに、さまざまな病気の原因になることも多いようです。 「分かりやすいものでは、食欲減退や膀胱炎などです。場合によっては血尿が出てしまうこともあります。ほかにも何をしても鳴きやまなくなってしまったり、やたら物を落としたり攻撃的になってしまうことも。便秘や下痢、トイレ以外の場所でおしっこやうんちをしてしまう“そそう”が増えることもあります」  自分のしっぽや体の一部を過剰に毛づくろいしてその箇所がはげてしまったり、出血するまで噛んでしまう自傷行為もあるとか。ストレスを感じやすい猫ちゃんだからこそ、健康を維持するためにも接し方には注意が必要です。 「僕も猫を飼っているので、飼い主さんたちが構いたくなる気持ちはすごく分かります。でも、今後も当分は家にいる時間が中心の生活が続くからこそ、注意が必要なのです。時間があるからといっていつも以上に構いすぎず、大切なのはお互いが無理なく過ごせる一定の距離を保つこと。  猫ちゃんたちから寄ってきたときだけ話しかけたり、撫でたり遊んだりしてみてください。理想をいえば、そんな“猫主導”を意識できれば、猫とより良い関係を築くことができるはずです」

犬は逆に寂しさがストレスになる

 我が道をいく猫とは反対に、飼い主との時間が増えて喜びモード全開の犬たちも新たな問題に直面しています。それは、一時期はリモートワークだった飼い主さんが通常勤務に戻り、一緒に過ごせる時間が減ってしまったことへのストレスです。環境ががらりと変わって、寂しさからストレスを感じる犬たちも少なくないようですが……。 「冒頭にもお話しましたが、猫と違って犬は飼い主を“群れのリーダー”とみています。人の繋がりを大切にする犬だからこそ、同時にそれは人に対して依存もしやすいのです。場合によっては寂しさから、極度のストレスを感じて分離不安症障害を引き起こす可能性も考えられます」  分離不安障害とは、寂しさやストレスが原因で過剰な無駄吠えや食糞に嘔吐、落ち着かない様子で常に興奮状態など様々な例があります。大好きな飼い主と離れる時間が増えたり、場所や環境が変わることに極度の不安を感じている状態です。
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出かけるときに過剰に接するのはNG
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