――いまの仕事のモチベーションって何でしょうか?
金子:一番は好きだから続けていますね。自分が好きなことで誰かが救われたり、楽しんでもらえたり、そういうことがあればいいなと思っています。演じているときが一番楽しいんです。演じているときが本当の自分のような気がする。正直になれる瞬間があって。日々生活をしている中では、いろいろと我慢したり、抑えたりしていることもありますが、それが演技だと我慢しなくていい瞬間があって楽しいです。
――そうなんですか。お芝居のほうが“演技”というくらいなので、ウソだとばかり。
金子:そうなんですよね(笑)。台本に書いてあることなのですが、感情に正直になれるところがあるんです。
――それを踏まえて、どういう俳優・どういう人間になりたいという展望はありますか?
金子:人として成長したいと思います。20代であれば30代に向けての準備があり、30代であれば40代に向けての準備があると思っていて、それをつねに考えていくことが俳優として大事なことなのかなと思っています。僕はいま23歳ですが、33歳の考えも持っていたい。でも上には上がいて、尊敬できる俳優さんがたくさんいるからこそ、僕たちも頑張っていかなくてはいけないなと、最近よく思っています。
――そのためには、今何が必要だと思いますか?
金子:僕は人と話すことが苦手というか、下手なんですよね。それって、あんまりよくないことなのかなと最近思うんです(笑)。でもきちんと正直に応えようと思っています。言葉や人柄って大切ですよね。あと“強さ”も大切なのではないかと思っていて、それは見た目とかそういうことではなく、内側にあるもの。弱さも強さだと思いますが、お芝居よりもそういう面を磨いていくほうが大切なのかなとも思っています。
お芝居だけではなく、普段、金子大地として生きているときに身に着けないといけないことが多いと思っているので、日々の中でいかに客観的に自分を見て、いろいろなところに目を向けられるかがこれから必要なことだと思っています。
<取材・文・撮影/トキタタカシ>
(C) 2020『君が世界のはじまり』製作委員会
配給:バンダイナムコアーツ
トキタタカシ
映画とディズニーを主に追うライター。「映画生活(現ぴあ映画生活)」初代編集長を経てフリーに。故・水野晴郎氏の反戦娯楽作『シベリア超特急』シリーズに造詣が深い。主な出演作に『シベリア超特急5』(05)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)などがある。現地取材の際、
インスタグラムにて写真レポートを行うことも。