「
街でいいスニーカーはいてるお兄ちゃんがいると、お互いのスニーカーを見て目で会話する、みたいなことがよくあるんです。スニーカーのアンテナ張ってるんですぐわかりますよ。

スニーカー仲間の中ではお互いのスニーカーを見合うのがコミュニケーションなんです。外国人の場合は微笑んでナイス、と言ってくれたりしますが、日本人同士は空気で感じる。それも楽しみです。ただ、ちょっと悔しいときは見て見ぬフリもしますが……」
でも、コロナでなかなかおしゃれして街に出かけることも減ってしまったのではないでしょうか……。

「そうですね。外にはいていけないので自分にとってスニーカーとは何かって見直しました。スニーカーに対する価値観が変わってしまったかもしれません。
お互いスニーカーを見せ合う場所の一つが『並び』と呼ばれる、お店の行列だったんですが、ほとんどweb販売になってしまって、見せる場所がなくなってしまいました……」
と、残念そうな萬さん。いつかまた自由に外出できる日が来ることを願い、スニーカーのサイトを日々チェックしているそうです。
「次に狙っているスニーカーは何ですか?」と聞いたら「あるといっても無限にあるのでリークされる画像を見ては次に何を手に入れようか考えてます」とのことで、愚問だったようです。何足手に入れても決して飽きることがないスニーカーマニアの世界。その原動力があれば、今のような危機的状況も乗り越えられることでしょう。
<文&イラスト/辛酸なめ子>
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