Entertainment

「逃げ恥」平匡さんから「MIU404」志摩、すべてが星野源である理由

 星野源が跳んだ。
 相棒役の綾野剛が鍛えられた忍者のように街灯を踏み台にして犯人に飛びかかったあと、星野も続いて綾野剛の後ろからジャンプして襲いかかる。一台足りないジェットストリームアタック(ガンダムより)のような連携プレー。手には警棒。そのときの衣裳は、鎖骨から色気漂う黒のVネックのTシャツとジーンズのジャケットと肉体派の私服刑事ぽい。連ドラ「MIU404」(TBS系 毎週金曜夜10時~)の一場面である。

文化系イメージの星野源が、ちょっとワイルドな刑事役も

 ドラマ「逃げ恥」で大注目された星野源。「プロの独身」として禁欲的に折り目正しく生きてきた人物が、主人公と出会い、ふたりで生きるという新しい世界に目覚めていく。恋や結婚にガツガツしない姿が現代的であることやイケメン過ぎないところが愛された。俳優でもある一方で、ミュージシャンとしても活躍し、ドラマの主題歌「恋」も大ヒット。さらに文筆家としても活躍している。
 じつに多才な星野が「MIU404」で綾野剛とダブル主演で演じている役は、機動捜査隊(MOBILE INVESTIGATIVE UNIT 略してMIU)の一員として、主に初動捜査や逃走中の容疑者の追跡調査などを行う刑事・志摩。元捜査一課のエリートで理論派設定だ。綾野剛演じる相棒の伊吹は走るのが速い体育会系。設定はそのように静と動、大まかに二分されるが、志摩も暴れるときは暴れる。自転車を全力疾走して犯人を追ったり、犯人の拳銃の銃口を指で塞いだり体を張る。  ミュージシャンであり俳優であり、文筆家でもある星野は、文系のイメージが強い。これまで演じた役でも人気だったのは、無口でクールな医師(「コウノドリ」)や奥手な会社員(「逃げ恥」)など。それが今回の志摩は、ちょっとワイルドで、銃のホルダーを肩からかけてちょっと足を広げて立っていたり、軽妙に皮肉なトークをしたりもする。俳優だからこれはこれでリッパに成立させている。
次のページ 
今回はいつもと違うというよりも、星野源は常にいつもと違う
1
2
3
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ