Gourmet

ラーメン二郎、食べたことある?女性記者が「レンタル二郎食べる人」に同行してもらった

二郎デビューは、「ニンニク、アブラ」に決定

 そんなことを話しながら三田二丁目の交差点を慶応大学正門方面へ進み、ラーメン二郎三田本店に到着しました。周りの建物が削れてなくなっていく中で、むりやりそこに佇んでいるような三角地の不思議な建物。午前中のためか外に並んでいる客はいないのですが、店内はほぼ満席。店に入る前からスープ鍋を茹でる蒸気、黙々とラーメンを食べる客たちの熱気が伝わってきます。  プラスチック製の札の食券を買って、清水くんと2人で待つことに。「僕は普通盛り、彼女は少なめでお願いします」。清水くんはさりげなく店員さんに麺の量を伝えてくれました。
レンタル二郎食べる人

独特の食券。青い札は「小」ラーメンを表す

「初めての人はニンニクをぜひ入れてほしい。『ヤサイ』って言ったら野菜が増えます。『アブラ』っていうのは固形アブラ。豚の背脂を崩したもので野菜の上にかかります。アブラはあったほうがいいかなって僕は思いますね。 『マシ』というのは単純に増量です。『ヤサイマシ』と言ってしまうと元から野菜はたくさん入っているから山のように野菜が乗ってしまう。だから安易に言わないほうがいいです。ニンニクとアブラなら『マシ』と言ってもらっても問題ないと思います」  清水くんの丁寧なアドバイスにより私の二郎デビュー戦の初トッピングは「ニンニク、アブラ」に決定しました。 「じゃあ『ニンニク、アブラ』ですよってここで確認し合うんですけど、実際その時になるとみんな『何でしたっけ?』忘れてしまうんです」

いよいよラーメンがやってきた。「少なめ」でも多い!

 そんなことを話していると、席が空きました。着席すると清水くんは「これよかったら使ってください」とボックスティッシュとウェットティッシュをカバンから取り出す。どこまでも気が利く青年。  いよいよラーメンが提供される場面がきました。「ニンニクどうしますか?」と聞かれ、一呼吸おいて冷静に答えた私。「ニンニク、アブラで」。完璧! 嬉しくなって清水くんを見たら、彼もニヤリと笑ってくれました。
レンタル二郎食べる人

初ラーメン二郎。「ニンニク・アブラ」トッピング

 ラーメン二郎は「少なめ」で指定しても量が多い。そしてチャーシューも分厚い。提供されるときのラーメンには店員の親指がなみなみのスープに浸かっていました。インドの屋台のような適当さを感じながら食べたラーメンは大げさではなく、一生の思い出になりました。こうして私の二郎初体験は清水くんによって達成されました。

時間が空いたときの自己分析でサービスを思いつく

 その後、入った喫茶店で清水くんになぜこんなことを始めたのか聞いてみました。 「このサービスを始めたのは、大学の柔道部の練習で怪我をして手術をすることになったのがきっかけです。中学からずっと柔道一筋だったので『柔道以外で自分にできることはなんだろう』と考えたのが始まりでした。予想以上に依頼が来ちゃって、スマホもずっと通知が鳴りっぱなし……正直びっくりです」  今年、1月からサービスを始めて、70人以上と一緒にラーメン二郎を食べたそう。しかもほとんどが女性。半年で60人以上の女性と食事に行っていることになるから驚きです。 「急にモテちゃいましたね(笑)。もともと中学も高校もほとんど男子ばかりの学校だったので女性と話す機会がなかったし、結構口下手で人見知りだったんです。だけど一緒に二郎を食べる回数をこなしたら、女性と話すテクニックみたいなものが身についてきました」  さりげなくティッシュを差し出したり、サッと車道側を歩くその気遣いはそうして身についたのか、と妙に納得。 「二郎を食べたことなくて、食わず嫌いで苦手意識持ってしまう方って本当に多いんだなと感じました。僕のサービスでそれを払拭、克服できるきっかけになれば、と思っています」
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「レンタル二郎食べる人」自分にもできる……?
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