ラーメン二郎好きだし「レンタル二郎」的なサービスをやってみようかな。そう思う人もいるかもしれません。そんな人に清水くんはこんなアドバイスをくれました。
「総帥」と呼ばれる店長の山田拓巳さんとの記念撮影もアテンドしてくれた!
「二郎の普通盛りって、僕の推定では1杯2000~2500キロカロリーぐらいあって、それを
毎日食べるとなると、普通の方がやろうとしたら身体がおかしくなりますよ。僕はスポーツやっていて人より代謝がいいからやれるけど」
塩分もバカにならないし、普通に生活している人がこのサービスをやったら体調を崩しかねない。意外とリスクがあるサービスなのです。
「加えて僕はたくさん食べられて、しかも残しそうな人の分もサポートできるくらいの胃の容量がある。そこは僕の長所だし、だからこそできる活動だと思っています」
さっきも麺少なめでも残してしまいそうだった私の状況を気遣い、「少しいただきます」と言ってくれたことを思い出した。
「僕をそのまま真似するのではなく、自分だからこそできるものを生み出して発展させるのがいいと思います。たとえばスターバックス。あそこっていろいろフレーバーがあって頼み方がちょっとよくわからないじゃないですか。そういうのに詳しい人が一緒に来てくれるのなら『頼もうかな』って思いますね。
僕が体験した中にも二郎以外の依頼はありました。例えば、『僕がたくさん食べているところを見たい』って言う方や、『
ビュッフェやスイーツ食べ放題に一緒に行ってください』って言う方もいました。そういう要望もヒントになるかもしれないですね」
「レンタル何にもしない人」に需要があるのと同じで「食べるだけ」のサービスにもそれなりの需要があるというのです。
二郎にこだわらずとも「自分なら喜んでもらえる」ことを追求すれば、もしかしたらできるサービスが見つかるかもしれない。自分にしかないものを提供できればそれをやってみる価値はある、清水くんはそう指摘しました。
帰り際、ラーメン二郎の店員さんが清水くんに「がんばってね」と声をかけました。彼の活動は少なくとも二郎界隈では公認になりつつある。彼の活動はラーメン二郎を愛する人々・通称ジロリアンの増加に一役買っているのは間違いないのです。
【
清水くん/レンタル二郎食べる人】
1998年7月10日生まれ。早稲田大学在学中。上京してから食べた二郎系ラーメンに心奪われ各店舗を食べ歩く。
<取材・文/武馬怜子(清談社)>
記者、写真家。硬いテーマからゆるめのジャンルまで幅広く執筆。世界各国の言語を勉強して飲み屋で使ってみるのが趣味。