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『半沢直樹』憎たらし〜い演技がクセになる後半の悪役たち

「やばい」と髪をぐしゃぐしゃに

 開発投資銀行が債権放棄の要請を見送ったことで、タスクフォースの計画は見送りとなります。銀行が一致団結し、思いもよらぬ結果になったことで、白井は絶望感に震えながら頭を抱えるのですが、白井が涙目で「やばい……」と髪をぐしゃぐしゃにかきみだすシーンにぞっとします。「やばい」という一言がなんとも重く、白井の心情を示す最高のセリフです。震える江口の怪演が素晴らしい場面でした。

「二度と私に逆らうんじゃないよ!」

「タスクフォース合同報告会」で失敗した白井は、責任をとるべく離党届を書き、大臣辞任を箕部幹事長に申し入れます。しかし、箕部は「君は人を集める広告塔だ。お飾り人形として私の意見に従っていればいい」と言い放ちます。そして、いつもは物静かな箕部が「二度と私に逆らうんじゃないよ!」と声を荒げるのでした。  白井も恐らく最初は、国民のためにと志をもって議員になったに違いありません。しかし地位や名誉に目がくらみ、挙げ句利用されていたという結末に、悪役ながらも切ない気持ちなります。箕部に罵倒され、鼻を膨らませて息を飲む江口の演技もこれまたリアルでした。  さて、箕部とズブズブに繋がっている東京中央銀行内の裏切り者が紀元常務(段田安則)だということがわかり、まだまだ続く政府との戦いに次回も楽しみです。そしてまた、次回も黒崎さんが出てくるようで心が躍ります。 <文/瀧戸詠未>
瀧戸詠未
大手教育系会社、出版社勤務を経てフリーライターに。教育系・エンタメ系の記事を中心に取材記事を執筆。Twitter:@YlujuzJvzsLUwkB
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