Entertainment

『半沢直樹』憎たらし〜い演技がクセになる後半の悪役たち

 堺雅人(46)演じる主人公の半沢直樹が、銀行マンとして巨大な組織に立ち向かうさまを描いた、ドラマ『半沢直樹』(TBS系、毎週日曜夜9時~)。新章に突入した第5話からは政府を相手に、新たな戦いに挑んでいます。9月13日放送の第8話を前に、ここまでの流れを振り返るとしましょう。
『半沢直樹』

(画像:TBS日曜劇場『半沢直樹』公式サイトより)

 なんとしてでも、帝国航空を自力再建させたい半沢でしたが、余剰人員の受け入れ先として計画を進めていたスカイホープ航空の新規路線の認可が、突然却下されてしまいます。  さらには金融庁から業務改善命令が発出され、東京中央銀行に対する世間の風当たりは、厳しいものとなっていました。これら全ては、国土交通大臣の白井亜希子(江口のりこ)ら政府の圧力によるもので、半沢は窮地(きゅうち)に追い込まれます。  そして第7話では、債権放棄への回答期限である「タスクフォース合同報告会」の日を迎えます。

「プッ。面白いお方!」半沢をおちょくる女性大臣

『半沢直樹』といえば、「お・し・ま・い・Death!」の大和田取締役(香川照之)をはじめ、絶叫しながら半沢の前に立ち塞がる悪役が印象深いのですが、第5話からは静かな悪役陣がなんとも憎たらしい魅力を存分に発揮しています。  タスクフォースのリーダーである乃原正太(筒井道隆)は、発する言葉は少なめなものの、「は?」「おまえさぁ」など、常に人を見下した態度で最高の悪役を演出。同じく、白井亜希子もいちいち人をいらつかせる態度が素晴らしい。半沢に対し「半沢さんでしたっけ?」と名前を覚えてませんアピールを繰り返し、「今度こそ、わ・か・り・ま・す・よ・ね?」「プッ。面白いお方!」など、他人をどこまでもおちょくる江口の演技は見ものです。
 圧倒的な権力をもった人間が、必死に戦っている人間を小馬鹿にする動作が究極にデフォルメされていて、現実世界に「わ・か・り・ま・す・よ・ね?」とする人はいないものの、薄笑いを浮かべながら他人の話を聞く姿など、こういう嫌味な上司いるなと思い出す人もいるのではないでしょうか。

“名もなき銀行員”の名演技にジーン

 そしてむかえた「タスクフォース合同報告会」で、債権放棄を要請していた取引銀行6行は回答を求められます。乃原は、各銀行が債権放棄を受け入れると想定していましたが、開発投資銀行と東京中央銀行以外の銀行は「主力および準主力銀行の決定に従います」と回答します。  各銀行がこの回答を政府につきつけるシーンは今回の見どころでした。最初に答えた東京大銀行のバンカー(安藤彰則)は、ハンカチで口を覆い、震えながらこの回答を述べます。そしてこの発言が皮切りとなり、後に続くバンカーたちも意を決して自分たちの意思を告げ、バンカーのプライドを守ろうとします。  口火を切った東京大銀行の、役名もないバンカーの葛藤や決意に胸が熱くなります。本ドラマにひきこまれていく理由の一つがここにあり、決してモブキャラや辻褄を合わせるために出てくる人物はおらず、それぞれの人物が自分の人生を懸命に生きています。半沢のように、正面から正義を主張してそれを貫き通すことはできなくても、必死で政府にたてをついた銀行員も、半沢同様バンカーとして戦っていることがわかります。それぞれの立場で戦う人たちを丁寧に描くドラマゆえに、見ている私たちもどんどん引き込まれていくのでしょう。
次のページ 
「二度と私に逆らうんじゃないよ!」
1
2
Cxense Recommend widget


あなたにおすすめ