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「DV妻のいる家に帰りたくない…」車中泊する夫の嘆き

「仕事が終わったら車の中で寝て、また職場へ向かうのが日常になっています。家に帰りたくない」
車中泊

※画像はイメージです(以下、同じ)

 悲痛な表情で、そう語る林健吾さん(仮名・27歳)は奥さんから身体的・精神的DVを受け、帰宅するのが怖くなってしまったそう。DVは男性が女性に向けるものというイメージが強いものですが、そうとは限りません。 「男女間における暴力に関する調査」(平成29年度、内閣府)によると、配偶者からの心身への暴力が「何度もあった」のは、女性13.8%、男性4.8%。被害は女性のほうが多いとはいえ、男性もその3分の1以上の割合なのです(※)。

交際時から高圧的だった妻

 健吾さんが妻の澄子さん(仮名・27歳)と結婚したのは、今から4年前のこと。澄子さんは交際していたときから高圧的な態度だったそう。  結婚前、澄子さんと健吾さんはプチ遠距離。健吾さんの自宅から車で1時間以上かかる場所に澄子さんは住んでおり、自宅近くの美容院で勤務していました。 「会うときは絶対に迎えに行かないと怒られました。仕事終わりに『会いたい』と言われたら1時間以上かけて迎えに行っていました」  健吾さんは一度、ひどく疲れているときに「今日は迎えに行けない。会うのは無理…」と伝えたことがありました。すると、澄子さんは激怒し、健吾さんを激しく罵倒。 「その日は電話越しで怒られるだけで済みましたが、1週間後に会ったときに再び罵詈雑言を吐かれ、何度も平手打ちされました」  そんな仕打ちを受けても健吾さんが離れられなかったのは、澄子さんのメンタルの弱さを知っていたから。 「僕が少しでも強くものを言ってしまうと、彼女は目の前でリストカットをすることがありました。今思えば、そのときに勇気を出して離れればよかったんですが、苦しんでいる彼女を支えてあげたい、自分が守ってあげたいと思っていました」

あっけなく終わった「穏やかな時間」

妻から送られてきたメッセージ

妻から送られてきたメッセージ

 共依存のようになってしまった2人は、2年の交際を経て結婚。その後、すぐに澄子さんの妊娠が発覚し、しばらくは穏やかな時間を過ごしました。 「妊娠し、守るべきものができたことで妻は変わりました。自傷行為もやめ、お腹の子のことだけを考えるようになって」  しかし、出産し、育児が始まると強いストレスからか、澄子さんは以前にもまして健吾さんに辛く当たるようになります。 「仕事で帰りが少しでも遅くなると、帰宅時にフライパンや鍋を投げられたり、死ねという文字がひたすら綴られたLINEが送られてきたりするようになりました」 「私がどれだけ苦労してるか、あんたは全然わかってない」「こんなにも稼ぎが少ない男だとは思わなかった」そんな言葉を何度も浴びせられ、健吾さんの心は折れていきました。やがて、澄子さんは工場で夜勤をするように。健吾さんとは生活パターンが真逆になり、仕事以外の時間は家の中でスマホゲームに熱中するようになりました。 「部屋はゴミだらけで、それを掃除するのは僕。こんな環境は娘にとって良くないと一度話をしましたが、『そう思うんなら、あんたが片づければいいだけだろ』と殴られました」  健吾さんは妻に殴られる自分を恥じ、周囲に相談することはできなかったそう。 「男のプライドのようなものがある。会社では部下もいて出世コースを歩んでいるのに、家ではこのありさまなんて言えないです」
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僕は妻のATMにすぎない
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