子供はいらない女性、欲しい夫から離婚を切り出された胸の内
話をしたけど夫にはわかってもらえなかった
子どもをもったら自分もそんなことをしてしまうのではないか。そんな不安もあったが、実際にはそれ以前に「子どもをもつ」選択肢を消していたのだ。
「私自身、子ども時代のことはもう封印していたので、結婚前に彼に話すという発想もなかっただけなんです。そんな話もしましたけど、彼にはわかってもらえなかった。オレたちなら協力して子育てできるよ、と明るく言われて。ああ、こんなところに落とし穴があったんだなと困惑しました。
私自身が解決できずに封印してしまった昔の事実が、今になって引っ張り出されるとは思わず、妙に焦(あせ)りましたね」
彼から離婚を切り出された
結婚後のことを詳細に決める必要はない。だが、結婚後の人生のほうが長いことを考えれば、家庭のありようをどうするのか、子どもをもつつもりがあるのか、その程度のことはあらかじめわかっておいたほうがいい。
「子どもをもつのは当たり前だから」と一方が考えていて、もう一方はまったくほしくないと考えている場合、カナコさんたちのように溝を埋める術はみつからない可能性が高いのだから。
―シリーズ「結婚の失敗学~結婚観・家族観のすりあわせを失敗」―
<文/亀山早苗>
⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】亀山早苗
フリーライター。著書に『くまモン力ー人を惹きつける愛と魅力の秘密』がある。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio


