2018年8月号の『新潮45』に掲載された杉田議員の「『LGBT』支援の度が過ぎる」という論説も、大きな波紋を呼びました。
「子育て支援や子供ができないカップルへの不妊治療に税金を使うというのであれば、少子化対策のためにお金を使うという大義名分があります」と述べた上で、「LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がないのです。そこに税金を投入することが果たしていいのかどうか」と書いています。
“生産性がない”という物言いに抗議が殺到し、結果、『新潮45』は休刊に。杉田議員は、カメラの前で「誤解を招き心苦しく思っている」と発言するも、最後まで撤回や謝罪はしませんでした。
『新潮45』への杉田議員擁護特集への寄稿文で炎上した小川榮太郎氏(左)と(画像:杉田水脈オフィシャルブログ 2015/11/12投稿より)
LGBTに対しても、著書『なぜ私は左翼と戦うのか』の中で、こんな無知をさらしています。
「(同性に惹かれるのは)成長期の一過程であって、誰でも大人になると自然に男性(異性)に惹かれ、結婚して子どもを産み、家庭を持つのです」※( )は編集部注。
同性愛者として生涯をまっとうした人がいくらでもいるのに、知らないのでしょうか?
さらに杉田議員は、LGBTを含め気に入らないものはなんでも、コミンテルン(旧ソ連にあった各国共産党の国際統一組織)の陰謀だと考えている模様。
「旧ソ連崩壊後、弱体化したと思われていたコミンテルンは息を吹き返しつつあります。その活動の温床になっているのが日本であり、彼らの一番のターゲットが日本なのです。
これまでも、夫婦別姓、ジェンダーフリー、LGBT支援-などの考えを広め、日本の一番コアな部分である『家族』を崩壊させようと仕掛けてきました。」(
産経ニュース2016.7.4)
ネトウヨによくある陰謀論の一種ですが、根拠があるなら示してほしいものです。
杉田議員は、大阪大学院の牟田和恵教授が発表した、性の平等に向けた日本の女性運動や従軍慰安婦問題についての研究論文に対しても噛み付いています。
2018年の3月から7月にかけて、自身のTwitterなどで「学問の自由は尊重します。が、ねつ造はダメです。慰安婦問題は女性の人権問題ではありません。もちろん#MeTooではありません。」「我々の税金を反日活動に使われることに納得いかない」などと牟田教授の研究について“反日”呼ばわり…。
牟田教授ら共同研究者の4人は、「ネットで誤った情報が拡散されて誹謗中傷を受けた。影響力が大きい国会議員の発言として言語道断」と、2019年2月に杉田議員を提訴し、裁判は今も続いています。